競馬新理論 井崎脩五郎
「ホトとキス」はまずいよな



今、1000万下にビッグリバティという馬がいる。

この馬、デビューしたときは482キロと普通の体つきだったのだが、放牧に出すたびにデカくなって、4戦目には504キロ、10戦目には528キロになってしまった。デビュー時と比べると、実に46キロ増である。

そのとき、声あり。「これじゃあ、ビックリバディだよ」。おお、何てうまいこと言う人がいるんだろうと思ったものだ。

ビッグリバティ

ビックリバディ

濁点を一つ変えただけで、「大きな自由」(ビッグリバティ)が、「びっくりバディ」に変わってしまうのだから、言葉は妙だ。

五代目志ん生が、「世の中は、澄むと濁るで大違い、ハケに毛があり、ハゲに毛がなし」と落語のマクラで話していたが、まさにそれ。

実は、各出版社、各新聞社にも、「我が社の歴史的誤植はこれ」という、伝説的な誤植が今に伝わっている。

ある新聞が1897年に正岡子規が主宰して創刊した俳句雑誌「ホトトギス」のことを紹介したとき、濁点を打ち忘れて「ホトトキス」とやってしまったという。ホトとは、陰と書いて、女性の陰部・女陰のこと(広辞苑)。

これとキスと書いちゃあ、苦情殺到だったかもなあ。

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