朽ちた生首がロッカーの中に

現代ニッポンにおいて、人間を映す鏡であるテレビドラマ。しかしながら、明らかに生きた人間でないものがクッキリ見えてしまっている作品も多数。有名なのは、2001年、大人気を博したNHK朝ドラ『ちゅらさん』のワンシーンだ。

「リビングで楽しく会話をするヒロイン・国仲涼子の背後に、頬杖をついた女の子の顔があって……。 満面の笑みを浮かべる国仲を羨むような、嫉妬に満ちた恨めしい表情でした」(テレビ誌記者)

同じNHKでは、06年放送の『中学生日記』でも、「教室で、楽しそうに漫画を読む2人の女子生徒の後ろのロッカーの中に、朽ちた生首がゴロンと転がって見えます。誰にも気づかれることなく放置された死者の霊が、"早く見つけて"と言わんばかりで……物寂しげな面持ちです」(前同)

恨みや寂しさが、霊の形になって出現したのか。大ヒットとなった10年の大河ドラマ『龍馬伝』でも、"ありえない話"が出てくるわ、出てくるわ……。

「佐藤健演じる岡田以蔵の後ろに、謎の大きな顔が映り込んでいるんです。実は『龍馬伝』の撮影中、原因不明の機材トラブルや心霊騒動が他にいくつもありました」(制作会社スタッフ)

民放でも状況は同様。09年放送の『白い春』(フジテレビ系)の最終回……。

「通りを歩く吉高由里子と遠藤雄弥の後ろ、吉高の様子を見つめるかのように、青白い顔がチラリ。身体はなく、顔だけが宙に浮いています。しかも、落ちくぼんだ目の周りは、真っ赤な鮮血に染まっているようでした」(オカルトライター)

ほかにも、04年の『霊感バスガイド事件簿』(テレビ朝日系)には、主演の菊川怜のすぐ背後に、ドラマのストーリーにはまったく関係ない男の影がハッキリ。93年の大ヒットドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)では、柏木家の二女・小梅の学校のシーンで、不気味なほどに顔の真っ白な制服姿の女性が小梅をジッと見つめていた。

「95年に放送された『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の第1シリーズでは、回想シーンに登場する薄暗い病院の窓に、ぼんやりとした女性の影が浮かび上がっていました」(前同)

同シリーズには、これ以外にも心霊現象と言われるシーンがいくつもある。現在、ちょうど最新シリーズの放送中。見れば、"何か"があなたを襲うかも……。

一方、視聴者を爆笑の渦に巻き込むバラエティ番組でも、まったく笑えない心霊現象が頻発。

ある放送作家が言う。

「ヤバかったのは、大晦日の『笑ってはいけない』(日本テレビ系)シリーズ、10年放送の『絶対に笑ってはいけないスパイ24時』。ココリコ・田中直樹が、板尾創路にトイレに押し込まれるシーンで、見えるんです」

何が見えるのか。

「板尾が閉めたトイレのドアの隙間から、白い顔をした女性がカメラを向いているのが、ハッキリと映っているんです」(前同)

まさか……。

04年放送の『田舎に泊まろう!』(テレビ東京)で、漫画家の蛭子能収が青森県を訪ねた際も――出た。

「一人暮らしの女性宅でラーメンをごちそうになったときのこと。"すごく、おいしいです"と話す蛭子さんの背後にある柱の陰に、中年女性の小さな顔が浮かび上がってきて……。精気をまったく感じさせない眼差しで、ジッと蛭子さんを見つめていました」(前出・制作会社スタッフ)

テレビ画面の中央、やや左……確かにいた。

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