今年の春、わが「長男」が日本の公立小学校に入学した。私と中国人の妻の間にできた彼は、生まれてからずっと日本で暮らしている。当然、日本語も中国語も話せるバイリンガルで、ときどきクラスメートの前で中国語をしゃべって彼らをびっくりさせながら、楽しく「ピカピカの1年生」生活を楽しんでいる。

ただ、気になることもある。彼のクラスではテストがほとんどないのだ。成績表も、点数ではなく「○」「△」「×」の3段階評価。私と日本人の前妻の間に生まれたもう1人の「長男」は、いわゆる「ゆとり教育」のまっただ中で育った。彼が小学生の時、運動会で全員が並んでゴールする姿には本当にあきれたものだ。

さすがにゆとり教育は見直されたが、生まれた瞬間から13億人との厳しい競争にさらされる中国人から見て、正直、日本の教育は今でも甘すぎるのではないだろうか。中国では、小学1年生からガンガン競争とテストにさらされる。人生は競争の連続なのだから、それなら小さい頃から学校が教えようという発想だ。実際、ぼんやりしていたら取り残されるから、学校も親も生徒も毎日必死に勉強に取り組んでいる。

先日、ある東京の女子大学で学生を前に講演した時、みんなが揃って「外国に行きたくない」「留学したくない」と答えるのに驚かされた。噂には聞いていたが、今の日本の若者がこれほど内向きだとは思っていなかった。

わが夫婦は、学校だけでなく、家でも熱心に長男に算数や漢字を教えている。私自身も最近、家庭教師をつけて日本語の特訓を始めた。ほかでもない、いつか日本国籍を取得して政治家を目指すための準備だ。日本で26年暮らして日本語には不自由しないが、政治家としてやって行くためにはもう一段レベルアップが必要だからだ。今は大学2年生として中国語を学んでいる私のもう1人の長男も、授業だけでは足りないと中国語の家庭教師をつけて特訓を始めた。

敢えて言わせていただければ、日本人が教育に対してぼんやりしたままなら、わが「第2の祖国」には未来がない――もし日本の政治家になれたら、この問題に一番に取り組みたいと思っている。


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