"客寄せパンダ"に仕立てた

だが、元阪神投手で野球評論家の江本孟紀氏は、"掛布待望論"の本質をこう解説する。

「野村(克也)・星野(仙一)と、フロントに意見を言う監督が続いたことの反省から、真弓(明信)・和田と、フロントに従順な監督が2代続きました。それでも甲子園にはファンが詰めかけますからね。阪神のフロントには、"甲子園で風船上げて騒げたら、ファンは満足するやろ"と、タカをくくってるところがあるんですよ。ただ、さすがに成績が伸びずにいたら、ファンの不満が噴き出します。そこでフロントがまず何をやったかというと、GM制の導入。これでファンに対して、チーム改革していると錯覚させたんですよ。つまりはファンへの目くらまし。掛布をDCに据えたのも同じ理由ですよ」

つまり、そもそもフロントは掛布氏に入閣要請する意思はなく、単なる"客寄せパンダ"に仕立て上げるつもりだったというのだ。

「甲子園で掛布のユニフォームが売れているなんて話をフロントが聞いたら大喜び。彼らの狙いどおりになったんですからね」(前同)

さらに、"掛布新監督潰し"には、こんな事情も関係しているという。

「フロントの意図にかかわらず、マスコミやファンの勢いに押されて掛布新監督が誕生しかねない状況になりました。ところが、来季は球団創立80周年。そんな記念の年に、かつて金銭問題でゴタゴタした掛布氏に、もしまた何かのスキャンダルが発覚したら……。そこで坂井オーナーが9月17日、急きょ、南球団社長と極秘会談し、監督問題をCS終了後まで封印する方針を確認したんです」(前出・球団関係者)

かくしてファン待望の掛布監督の芽はお蔵入りになったわけだが、代わって浮上してきたのが岡田元監督。

しかし、岡田氏も、「05年のリーグ優勝に貢献した今岡誠内野手を球団がクビにした際、その処遇を猛烈に批判した。中村GMとの関係も、同じ早稲田大学出身ながら微妙」(前出・トラ番記者)

だというから分からない。はたして阪神の来季の監督になるのは!?

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