秋華賞のコースは乗り難しい舞台!?

日本の競馬は、今週末から3週連続のGⅠウィークに突入します。
第1弾は、3歳牝馬による「秋華賞」。

僕が初めてこのレースで勝ったのは、デビュー12年目の1998年。
パートナーは、名牝、ファレノプシス。従兄にビワハヤヒデとナリタブライアンを持つ良血馬で、キズナは彼女の半弟です。

舞台となる京都競馬場、内回りの芝2000メートルは、スタートから1コーナーまでが近いうえに、直線はやや短め。
展開によっては極端にペースが遅くなったり、反対に早くなったりする、騎手にとっては乗り難しいコースのひとつです。

あのときも1コーナーを周ったあたりからガクッとペースが落ちて。
僕が思っていた以上にスローペースになってしまい、向正面あたりでは、少し後ろ過ぎたかなと心配になったほどでした。
それでも勝てたのは、彼女自身の能力の高さと、真面目さによるものです。

ライバルたちがカリカリする中、きっちりと折り合い、するすると上がって行くと、直線を向いたあたりで先頭に。
さすがに、
「ちょっと早すぎたかな」
と思うほどでしたが、彼女はその後も遊ぶことなく一生懸命に走り切り、初めての勲章を手にしていました。

真面目であること――簡単そうに見えて意外に難しい。
でも、これは勝負師の作法にとって、すごく大切なひとつです。


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