ウイルスに感染したら致死率が50%以上という恐怖の病気「エボラ出血熱」。先日、西アフリカのリベリアで取材した日系カナダ人のジャーナリストが羽田空港で発熱し、
「ついに日本上陸か!?」
と、大騒ぎになったのは記憶に新しい。

西アフリカ以外の感染拡大はいまのところアメリカとヨーロッパにとどまっているが、もしこの病気がアジアにやって来るとしたら、最初に上陸するのはおそらく日本ではない。わが祖国、中国だ。

私がこう言い切るのには理由がある。最近の中国は世界の中でも突出して、アフリカと広範囲、大量に人的な交流を行っているのだ。

まず、中国企業の進出や中国政府の支援プロジェクトの関係で、大量の中国人が現地に行っている。かつての欧米や日本と違い、中国企業は現地でアフリカの人々をあまり雇わず、労働力として中国人を連れて行きたがる。その結果、感染した中国人が帰国するリスクが高くなる。

それだけではない。中国、特に南部の広州市では正規に登録しただけで2万人、不法も合わせると20万人規模でアフリカ人が滞在している。労働者もいるが、多くは格安の中国雑貨を買い付け、アフリカに輸出する仕事に関係している。当然、現地から中国に来るアフリカ人も多い。

中国政府は、
「もしウイルスが入り込んでも、対応できるだけの能力も自信もある」
と胸を張るが、彼らには11年前のSARS(重傷急性呼吸器症候群)の時、情報を隠蔽した「前科」がある。はっきり言って、中国の農村の医療水準はまだアフリカとそう変わらない。エボラ熱がその農村で広がったら……その危険度はSARSの比ではないだろう。


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