ビートたけし、志村けん、綾瀬はるかもメロメロ!

さらに、"男力"に満ちた伝説には事欠かない。
酒を嗜まず、コーヒーが大好きな健さん。
「京都での撮影中、よく四条河原町近くのコーヒースタンドに通っていたそうです。カウンターだけの小さな店で、健さんはフラッと来てフラッと帰る。そのサマがカッコいいんですよ」(夕刊紙記者)
芸能評論家の金沢誠氏は、「彼と共演して、映画スターとしての生き様を学んだ俳優や女優は多いんです。薬師丸ひろ子もその一人。アイドル時代に『野性の証明』(78年)で高倉健と共演し、彼の背中を見ながら、いろいろ学んだようです」
かの松田優作(故人)も健さんを尊敬していた一人。美由紀夫人が、ハリウッド映画の『ブラック・レイン』(89年)で優作が健さんと共演したときの秘話を、前出の『スマステ』で明かしている。
「(健さんの)オフショットの写真をよく優作が撮っていて。優作が人の写真を撮るということは、いままでに(そのとき)一度しかなかったですね」
また、同じく共演者のハリウッドスター、マイケル・ダグラスが大阪ロケ中、日本のファンがみんな健さんを尊敬の眼差しで見つめる光景を見て、「アメリカで、あんなに尊敬されるのはブルース・スプリングスティーン(歌手)だけだよ」と、感嘆の声を洩らしたという話は有名だ。
さらに、中国の有名な映画監督・張芸謀(チャンイーモウ)が日中合作映画『単騎、千里を走る。』で、休憩の際にも健さんがスタッフに遠慮して立ち続けていた姿を見て、「中国では、彼のような俳優は一人もいない」と、尊敬の念をますます強めたという。
「健さんには寡黙なイメージがありますが、実際には意外におしゃべりで、お笑いが大好き。その関係でナインティナインの岡村隆史や志村けんさんとも交流があるんです」(前出・川内氏)
岡村は『あなたへ』で健さんと初共演。映画は、高倉扮する元刑務所の指導技官が日本全国を旅しながら、亡き妻との夫婦愛を確認するという内容だが、「岡村の役は、阪神ファンの男。大阪ということで健さん自身が岡村を指名したんです。撮影の前夜は、NGを出したらと思い、緊張して眠れなかったというほど……」(芸能記者)
志村も、健さんの指名で『鉄道員(ぽっぽや)』(99年)に出演したクチだ。
「健さんは志村のコントが大好きで、よく志村のモノマネをしているそうなんですよ。それで今回、健さんのたっての願いで、わざわざ原作にない志村の役を作り、キャスティングしたそうです」(前同)
その話を聞いて志村は「もう夢のような話」というコメントを残している。しかも、撮影の前日、志村が楽屋に戻ったら、留守番電話に「弟子入り志願の高倉健です。明日は気をつけて(ロケ地へ)お越しください」などという健さんの肉声が入っていたという。
男も女も惚れ込む高倉健の"男力"は、まさにホンモノ。齢80を越えてもなお、健さんの"人生男旅"はまだまだ続く。

(週刊大衆2012年9月10日号)

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