競馬新理論 井崎脩五郎
ファッツ・リターンもある


韓国は「ナッツ・リターン」で大騒ぎになっているが、あのナッツ・リターンという言葉のおおもとは、言うまでもなく「ファッツ・リターン」である。アルファベットならFATS・RETURN。
デブ(=FAT)が何人も飛行機に乗って来て、これじゃあ機体のバランスがとれないということで、搭乗橋に引き返して、分乗や乗り換えをお願いするのが、ファッツ・リターンである。

その昔、イギリスからフランスへ馬を飛行機輸送するとき、乗せた馬たちが一斉に小便をして、その大量の小便が荷物室に入ってきてしまい、これでは荷物が使い物にならなくなると、慌てて搭乗橋へ引き返したことがあるそうだ。
これはピス(小便)が原因になっているので、ピス・リターンと呼ばれている。

1962年(昭和37年)の秋、日本のタカマガハラが、米ローレル競馬場で行われるワシントンDC・インターナショナルへ遠征したときのこと。
往きの貨物便で、タカマガハラが大量の小便をして、その小便が、機体が左右に傾くたびに、左へザーッ、右へザーッと、まるで滝のように流れをつくったという。この奇譚の目撃者は、当時日航のパーサーとして、輸送に付き添っていらした安部譲二さん。昭和競馬史の生々しい一ページとして、いまだに印象が強烈だ。

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