世界で一番多い人口をこれ以上増やさないため、中国が今から36年前に始めた「一人っ子政策」は日本でも広く認知されている。ただ、夫婦が1人の子供しか生めないというこの政策がもたらすデメリットはそれほど知られていない。

中国の国家衛生・計画生産委員会は先日、中国の男女比の不均衡が「世界で最も深刻で長期化している」という懸念を示した。中国の男女比は女100に対して男が118。結婚相手が見つからない男性の割合が15%にも達する。男100人のうち、なんと6〜7人が一生独身で過ごさなければならないのだ。

ここまで男女比の格差が広がったのは、家の後継者として男児を望む意識がまだまだ強いから。特に農村ではその意識が強く、女の子と分かったとたん中絶したり、酷い場合には捨てるなどという許し難いケースもある。

いびつな男女比をなんとか改善するため、中国政府はこれまで夫婦の双方が一人っ子の場合、2人目の出産を認めるといった緩和策を取ってきた。ただ、ここまで広がった格差はそう簡単には縮まらない。
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