人生に役立つ勝負師の作法 武豊
キズナとの二度目の産経大阪杯です


あれから、もう一年です。
――あれからって? どれから!?

僕があれからというのはひとつだけ。そう、世界最高峰のレース「凱旋門賞」に勝つことを最大目標にした、キズナの2014年最初のレース、GⅡ「産経大阪杯」のことです。
――4か月ぶりの実戦で力を出し切れるのか!?
――エピファネイア、メイショウマンボという同世代のGⅠ馬も相当強いはず。
キズナは、そんな声を完全に封印する圧倒的な強さを見せつけ、日本馬最強を証明してくれました。
メジロマックイーン、スペシャルウィーク、ディープインパクト……負けたくないではなく、絶対に負けられないレースで、本当の強さを出せる馬は、それほど多くはありません。

「産経大阪杯」は、昨年の勝利を含め、88年にフレッシュボイス、90年にスーパークリーク、93年にメジロマックイーン、97年にマーベラスサンデー、98年にエアグルーヴと、これまでに6度制していますが、やはり、キズナの強さが鮮明に残っています。
骨折明けのレースとなった前走、2月15日の「京都記念」は、勝ったラブリーデイからハナ差、クビ差の3着。結果を残さなければいけない馬ですから、もちろん悔しさはありましたが、乗っていて、"さすが"と思わせてくれたのは大きな収穫。キズナはキズナのまま……いや、さらに強くなって帰ってきてくれたというのが実感です。

今週末に予定している2度目の「産経大阪杯」。いよいよここから、ビクトリーロードが始まります。キズナの強さをぜひその目で確かめてください。

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