昨年まででしたら3対1のままで試合終了(今年は3対2)。無抵抗のままズルズルいっていたでしょう。チームは「あ~あ、負けちゃった」と、何とも言えない重い空気が充満していたでしょうね。

ところが、今年は違う。負けはしましたが、最後に一発ぶん殴った……。喧嘩には負けましたが、最後に相手を殴った。これが巨人には厄介なのです。

勝ったとはいえ、巨人側は「何か、後味が良くない勝ち方だな」……。スカッとした気持ちになれないのです。これは尾を引く。事実、4月の中旬まで巨人は波に乗れていないでしょう。開幕戦の一発がジワジワ効いているわけ。

5年間とはいえ、プロで生活してきた僕は、自分が感じ取ったチームの雰囲気を重視。「12球団が横一線」という背景は、選手のネームバリューや去年の数字(成績)ではありません。「いかにチームが一つになっているか」――これが全てです。

詳しくは次回に綴りますが、僕が在籍していた当時のオリックスはてんでんバラバラ。誰も「優勝しよう」とは言わなかった。そこが(当時の)常勝軍団・西武に勝てなかった原因でした。

今年3月には、北陸新幹線が開業。併せて、上野東京ラインも開通して東北から東海道が一本で繋がりました。そう、都道府県も横一線に繋がったのです。北は札幌、首都圏、中部圏、近畿圏、中国圏を経て、西は福岡まで。プロ野球も横一線に繋がり、実力も拮抗(横一線)となれば、全国のファンにとって、これ以上、喜ばしいことはないでしょう。

今年は本当に面白いシーズンになることを期待して「やっぱり、野球が一番!」。


パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。

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