彼女のGⅠ勝利は後輩騎手が騎乗…

「これはとんでもない馬がでてきたぞ」
この年の春二冠、「桜花賞」「オークス」を制したパートナー、ベガの三冠を阻むとしたらこの馬かもしれないと、本気で考えたほどの強さでした。

その「エリザベス女王杯」は、1着がホクトベガ。2着ノースフライト。三冠を狙った僕とベガは、レース中に他馬と接触するアクシデントなどもあり3着。あのときを思い出すと、今でも苦さが込み上げてきます。

彼女とはその後、GⅢ「阪神牝馬特別」、GⅡ「京都牝馬特別」、GⅢ「マイラーズC」と重賞3連勝。しかし、彼女が手にした2つの大きな勲章、GⅠ「安田記念」と「マイルCS」は、めぐり合わせにより、敵として戦い、敗れてしまいました。

そしてこの2つのレースで手綱を取ったのが……角田晃一騎手。今は角田晃一先生です。しかも、角田厩舎にとって初めての重賞制覇となった一昨年の「ファンタジーS」(ベルカント)は、僕とのコンビで挙げたものです。そう考えると彼とも不思議な縁で結ばれているような気がします。

こういうことは頻繁に起こるのが競馬――だから、競馬は面白いんです。

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