3年前、桜庭和志が新日本プロレス参戦を表明した夏の日、私はツイッターでこうつぶやいた。

「桜庭の新日登場はイチローのヤンキース移籍に似ている」。

イチローもその夏新しい環境に変わった。両者にはワクワクする気持ちはもちろんあったのだけど、それ以上に起用法が意外と難しそうに感じた。

でも世界を驚愕させた天才が同じ時期に環境を変え、キャリアの後半で勝負を賭ける。我々ができることは注視することだけだと思い直した。

そしてイチローは今年からマイアミ・マーリンズに移籍。41歳のレジェンドが若いチームメイトたちと盛り上がる様子が報道されている。日本のメディアが驚くほど明るいイチロー。

バットもグラブもスパイクも色を変え、今までのイメージをぶち壊す勢いだが?という質問に、

「チームを移るというのは、そういうチャンスでもあります。誰が見てもわかりやすいタイミングで何かを変える。そこを逃してしまうとできなくなります」(Number「イチロー主義」)

変わらなきゃ、というイチロー。

では桜庭和志のこの3年間はどうだろう。桜庭の場合は、まず問われたのは本人よりファンのほうだったと思う。桜庭を「どう見るのか」という。
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