アメリカにも見捨てられて…

それだけではない。今や、「独島」は、世界のモノ笑いのタネになっている。
「独島の発電機室が浸水し、2基の主発電機が使用不能になったことがあります。2基は修理のため陸揚げされましたが、独島は残った2基のみで運航していたために負担がかかり、発電機室内で火災事故が発生。発電機1基が使用不能となり、残る1基も消火活動の際に水を浴びて、故障してしまいました。これで主発電機がすべて停止。独島は黄海上で漂流してしまったんです。軍艦が海の上を漂流するというのは、世界の軍事史上前代未聞の話です」(井上氏)

このほか、空軍でも、信じられない設計ミスが生じている。空軍の主力戦闘機F-15Kに搭載される空対地ミサイルだ。最大射程は278キロと長く、誤差範囲も3メートル未満という触れ込みだった。ところが、
「ミサイルの誘導波長(GPS)が韓国国内で使用される携帯電波の波長と重なり、場合によっては、携帯を使う国民に向かってミサイルが飛んでいきかねないことが発覚したんです」(前出の古是氏)

それにしてもなぜ、韓国軍の装備はここまでオンボロなのか。
「基礎的な工業技術がないことはもとより、熟練工が育たないこと。韓国企業では労働争議などの問題が起きると、熟練工であっても切り捨ててしまい、それがために組み立ての精度が悪くなってしまうんです」(日本企業関係者)

たとえば、F-15K主力戦闘機。アメリカから部品を持ち込み、韓国国内で組み立てられたが、その組み立て精度の悪さにより、着陸装置のランディングギアが折れるなどのトラブルが続発したという。古是氏が、さらに内情を明かす。
「ほかにも、製造するメーカーが、軍の求める仕様を勝手に変更し、浮いた費用をピンハネして納入するようなケースもあるんです」

こうなると、経済の凋落で今後、軍事予算が見直されると、オンボロ化に拍車がかかりそう。さらに――。
「このほどアメリカ国防総サード省の報道官は、THAAD(サード)(地対空ミサイル)の朝鮮半島配備を見合わせると受け取れる発言をしました。THAADは、高度150キロ以上から飛んでくる弾道ミサイルを迎撃する最先端システムで、主に北朝鮮の脅威に対応するためのものです。ただ、同システム配備で自国権益が侵されると危機感を抱いた中国が横ヤリを入れ、韓国側が"判断不能"に陥ったんです。これまでの日米と中国、どっちつかずの"こうもり外交"のツケが回ってきたんですよ」(外務省筋)

かくして、アメリカからも見放され、自国のオンボロ軍隊だけで国土を防衛しなければならなくなった韓国。経済と軍隊がこの状況では、朴大統領の胃もたまったものではないだろう。

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