女性編集者は、何か中年女性に不吉な影のようなものを見て寒気がした。さわやかな五月の風すら、生臭く感じられるほどに。

それからしばらくして、また女性編集者は店長に会った。サツキはその後も戻る気配はないという。そして、面接を受けに来て履歴書を書く女性の中に、「霊が見える」に○をつけるのがやたらに増えた、ともいう。

しかもその女性たちは、店の中にも霊がいるという。

「どんな幽霊かと聞いたら、サツキの特徴をいうんです。あの子は死んで店に戻ってきたのか。僕には見えませんが。変なオバサンが、それに関係しているかどうかも謎です」

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