6月1日に施行された改正道路交通法。これにより自転車に対する取り締まりが強化され、早くも日本各地で摘発される違反者が続出している。

では、自転車を運転する場合、具体的にどのような行為が取り締まりの対象となるのか、改めて確認してみよう。

従来の道交法違反にあたる悪質運転のうち、危険行為と規定されたのは「信号無視」「制動装置(ブレーキ)不良自転車運転」「酒酔い運転」など14項目。

だいたいは「やったら危ない」ものが改めて規制された印象だが、特に「信号無視」は重要。なんとなく「自転車だから」と赤信号を無視すると、これからは確実に捕まるし、もしも接触などの事故があれば責任はほぼ100%自分に降り掛かってくる。

また、違反しがちなのは「通行区分違反」。

自転車は基本的に歩道ではなく「車道」を走らなければならないのだ(ただし運転者が13歳未満、もしくは70歳以上の場合を除く)。

道路交通法では自転車はれっきとした「車両」。50ccのスクーターの正式名称が「原動機付き自転車」であるから、自転車はある意味「原動機なし」のスクーターと考えることができる。原付が歩道を爆走していたら、それは恐ろしいことだ。

ちなみに、駐車しているクルマを避けるため、交通量の多い右側に移動しなければならない場合など、車道を走るのが危険な時や、自転車通行可の標識がある場合には歩道を走ることもできる。が、その際は必ず徐行しなければならない。つまり歩道を飛ばすとそれだけで捕まってしまうのだ。

それに加えて、今回からクルマ同様に左側通行が義務づけられる。逆走は同じく通行区分違反だ。

他には、携帯電話やスマホを操作しながら乗ったり、イヤホンで音楽を聴きながら走る「ながら運転」や、雨の日に傘をさして走行することもNGに。

さらに以前は軽いお小言程度で済まされていた「夜間の無灯火」「2人乗り」「並進」も、「安全運転義務違反」として、しっかり取り締まりの対象となる(ちなみに複数乗りに関しては、自転車に子供専用の椅子が前後についていた場合に限り、3人乗りまでは認められる)。

ちなみに、最近見かける車両の右折レーンを使った右折は、自転車はNGなので注意したい。どんな交差点でも右折レーンは使えない。

こうした危険行為を3年間のうちに2回以上繰り返した14歳以上の運転者は、各地の警察本部や運転免許センターなどで行われる安全講習を受けることが義務づけられている(3時間5700円)。受講命令に違反した場合は5万円以下の罰金となるので、十分に注意したい。

なによりも、法令が定められたことで、事故が起こった場合、違反者の立ち場は法を犯した犯罪者になること。前科者にならないためにも、何よりも人を不幸にしないためにも、きちんとルールを守ろう。

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