競馬新理論 井崎脩五郎
出馬表にアヤシイの4文字


「アヤシイ」
これは何を意味するのか。考え込んでしまったのが、5月17日、東京9Rの秩父特別だった。

6番 (イ)ンナーアージ
7番 (シ)ュンドルボン
8番 (ヤ)マトダイアンサス
9番 (ア)ンジュデュバン

ご覧のとおり、9番から内に向かって、頭文字にアヤシイという暗号が刻まれていたのだ。

広辞苑で「あやしい」を引いたら、「普通でなく、ひきつけられる」「常と異なる」と書いてあった。常と異なる……。異人のことをさしているのだろうか、この暗号は。

異人、すなわち外国人のジョッキーが、このレースには二人出ていた。2番人気・シュンドルボンのデムーロと、3番人気・アースザスリーのルメール。
ためしに両馬のワイドを買ってみたら、これがちゃんと2着と3着に粘り込んで260円。同じ馬券を買っていた競馬風俗研究家の立川末広とともに、夕刻、浅草で飲み始めたのだが、いやあ、最近の浅草はびっくりするくらい異人だらけだね。

江戸時代の風俗伝来には、めずらしい異人を遠目に見て、「みな驚き怪しみ……」とあるが、江戸時代の人間が今の異人だらけの浅草を見たら、「ここはホントに浅草か」と、世の変転に目を丸くするのではないか。

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