本ワサビとチューブのワサビは中身も違えば栄養価も違う?の画像
本ワサビとチューブのワサビは中身も違えば栄養価も違う?の画像

夏はさっぱりした食べ物がうれしい。おそばにちょっとワサビをつけて食べるのは最高だが、とにかく生のわさびは高い。先日、スーパーで小さなワサビが1本450円で売られていた。高級品である。だから生はあきらめて、チューブのワサビを買ったのだが、198円だった。考えれば、おかしな話だ。同じワサビなのに、なぜこんなに値段が違うのか?

売り物にならないワサビを加工してコストダウン? と思ったら、原料が違うのだそうだ。加工ワサビに使われているのはワサビダイコンというワサビとは別の植物。ホースラディッシュで知られる、ステーキなどの薬味である。ワサビとは原価が5倍前後違うため、ワサビダイコンが原料の加工ワサビは安いのだ。

ホースラディッシュ自体はおいしいもので、北海道で買ったビン詰めをご飯に乗せてお醤油かけるとピリ辛でよいものだった。ただしあれがワサビかというと、まあ別物だ。

本ワサビと書かれたチューブには、ワサビダイコンに本物のワサビが添加してある。粉ワサビはワサビダイコンの粉末を緑色に着色したもの(ワサビダイコンはそのままだと肌色だ)だ。

ワサビメーカーの金印は、生のワサビに「わさびスルフィニル」(正式名「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」)という成分が含まれることを発見した。ワサビの抗菌作用や消臭作用については昔から知られていたが、さらにわさびスルフィニルには「解毒効果、抗酸化作用、血流改善作用、がん細胞転移抑制作用、糖尿病合併症予防作用、花粉症軽減効果、炎症抑制作用、膝関節痛抑制作用、美肌効果」(同社による)などの効能が発見され、極めて薬効の強い野菜であることがわかっている。

残念ながら、わさびスルフィニルはワサビダイコンにはほぼ含まれていない。味や風味はもとより、健康にも気を遣う方は、少々お高いが生ワサビを楽しまれた方がよいだろう。

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