「優勝基準値」に近いのは広島

今年の巨人も、打線の低調により、打順がネコの目のように変わっている。
「4番が固定できず、阿部、坂本、大田、中井大介、亀井、長野など、日替わり定食状態です(笑)。7月8日のスタメンを見ても、セ・リーグの打撃ベストテン入り選手は一人もおらず、13位に亀井が初めて顔を出す体たらく。打率.276の亀井がチームの首位打者では、あとは推して知るべし、ですよ」(同巨人担当記者)

本塁打にしても7本の長野がチーム最多本塁打という、寂しい状況だ。
過去のデータと比較すると、平均チーム打率.236、同本塁打86本では、少なくとも同防御率2.50以下でなければ、優勝は難しい。

「この15年間で、巨人が優勝したシーズンのチーム最低打率は12年の.256。ただ、そのときのチーム防御率は2.16ですからね。打てないなら打たれない、が鉄則。そもそも、打率.250以下のチーム打率で優勝したのは、11年の中日だけ。これだけ考えても、巨人がリーグ制覇する確率は15分の1、6.6%ですからね」(前出の民放記者)

ならば、セを制覇するのは阪神と広島、どちらになるのだろうか。
「呉昇桓(オスンファン)という抑えの切り札を持っている阪神は侮れません。あのチームは、優勝争いの経験もあるので侮れない」(橋本氏)

だが、データを見れば、両チームの差は歴然だ。

●打率 阪神.239
    広島.261

●本塁打 阪神48本
    広島59本

●防御率 阪神3.85
     広島3.14

阪神の数字は、巨人のそれと似たり寄ったり。

一方、広島は打率と本塁打数はリーグ1位、防御率も巨人に次ぐ2位。本塁打こそ足りないものの(予想本数約111本)、打率、防御率は、すでに述べた「優勝基準値」に近い数字になりつつある。
「広島は出だしこそ、つまずきましたが、ここにきて勝負強さを発揮しています。有力な優勝候補だと思います」(橋本氏)

たかがデータ、されどデータ。果たして混戦を抜け出し、栄光をつかむチームは、どこか――。

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