人生に役立つ勝負師の作法 武豊
世界の騎手が集う「シャガーカップ」


遠足前日の小学生のように……というのは大袈裟ですが。毎年8月第2週の土曜日(今年は8日です)、イギリスのアスコット競馬場で開催される「シャガーカップ」が近づき、かなり、わくわくしています。

いつのころからか、毎年夏は、リフレッシュと、さらなる技術向上を目指しての欧州競馬への参戦が定番となっていて。ここで新しい空気を吸い込んで、夏の小倉から秋のGⅠに向かう――それが心と身体のリズムにも合っていました。

しかし残念ながら昨年は、落馬による骨折のため、欧州遠征も、招待していただいた「シャガーカップ」も辞退。周りのみなさんにご迷惑をおかけたしたうえに、馬に乗れないという個人的な悔しさも加わり、結局、いいリズムを取り戻せないまま、2014年が終わってしまいました。
でも今年は違います。まだひとつだけなので、胸を張れるほどではありませんが、コパノリッキーで、今年最初のGⅠ「フェブラリーS」を制覇。全国リーディングも4位で、後半の成績次第では、リーディング・ジョッキーが狙える位置にいます。そんな中で招待された「シャガーカップ」ですから、否が応にも気分は盛り上がっています。

3年ぶり7度目の出場となる「シャガーカップ」がはじまったのは99年。06年までは2チームによる対抗戦として行われていましたが、07年から、世界選抜、イギリス、アイルランド、ヨーロッパの4チームよる対抗戦に。12年からは、同じ4チームでも……世界選抜、欧州選抜、イギリス・アイルランド選抜、女性騎手選抜となり、イギリスの夏の風物詩として定着。ファンに愛されるビッグイベントになっています。

世界で腕を競う友フランキーも参戦

この大会に参加できるジョッキーは、1チーム3人で、合計12人。世界におよそ3万人いるといわれるジョッキーの中から選ばれるわけですから、選んでいただいたことに感謝です。
その上で、目指すは、僕が所属するチーム、世界選抜の優勝と、全5鞍で腕を競い、その最多ポイント獲得騎手に贈られるシルバーサドル賞の受賞です。

1勝した11年は、そのレースが当日のもっとも優れた騎乗として表彰される"ライドオブザデイ"に選ばれ、08年は2勝。前回の12年は、2着と3着が1度ずつで、団体優勝に貢献することができました。
個人的に勝つことを狙いながら、一方では、チームの仲間を応援するという、非日常的な愉しみを味わえるのも、このレースの醍醐味のひとつかもしれません。

そしてもうひとつ。個人的にすごく愉しみにしているのが、ヨーロッパ選抜チームのキャプテン、今年、8年ぶり2度目となる英ダービーを制したフランキー(ランフランコ・デットーリ)に会えることです。

70年生まれのフランキーは、僕の一個下。しかし、世界を舞台に飛び回るそのエネルギーと、不屈の闘志、技術の高さは、尊敬に値します。フランキーからいい刺激をもらい、また新しい武豊をお見せします。

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