それにどこか嘘くさいのだ。1回の収録で3週ぶんをとっているのだが、後半になると出演陣が疲れているのが見てとれる。さんまは、そうした極限状態から笑いを生み出そうと考えてるのかもしれないが、お笑い芸人の愛想笑いを見てもこっちは面白くもなんともない。

芸人たちが必死になって「笑わそう」としているのは、テレビの前の視聴者ではなく、司会者のさんまなのだと気づかされてしまう。お笑い芸人だって、サラリーマンと同じなのだ。上司をヨイショできない平社員は一生ヒラのままか、もしくはリストラ対象だ。かつては欽ちゃんがそうであったように、後継を育てようとするその熱意が、時にアダとなる。

編集にも問題がありそうだ。制作予算が少ないぶん、1組のゲストで3週まで引き延ばすのもグダグダ感を強めるし、ここ数週間出ていないホリケンも「この番組はつなげてくれるから嬉しい」と言っており、ホリケンの暴走を適当に切って、合間合間に差し込んでいるということがわかる。放送では、ホリケンが空気を読まずヒッチャカメッチャカにしているように見えるが、実は編集で切って張って散らしているだけなのである。もはやお腹いっぱいの感があるさんまの張り芸(声を張って笑いをとる芸)だって、いいさじ加減で調整できるはずだ。

とはいえ、芸人の実力があからさまになる数少ない番組ともいえる。できれば、ゴールデンには昇格せず、自由にできるいまの時間帯で切磋琢磨してほしい。バラエティも、芸人も笑わせてナンボだ。このままだと「“さんま”はアカンねんで」になりかねない!?

(キクタヤスナリ)

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