がんの原因となる意外な食材

生田氏が続いて挙げる悪い食事が、「クイックカーボ」と呼ばれるもの。これは、食べた直後に血糖値を急激に上げる精製デンプンや砂糖を指すというが、主食である白米や白パン、菓子パン、うどんにも含まれているというのだ。どういうことか。
「白米は、急激に血糖値が上がるうえ、玄米に比べて微量栄養素が非常に少ないのでクイックカーボであり、同時に、ジャンクフードでもあるわけです。一般的には、微量栄養素を取り除いた食品は日持ちがよくなりますし、また、白米のほうが玄米より美味しいということで白米をメインに食べていますが、体のことを考えれば、玄米のほうが圧倒的に有益です」

とはいえ、中には玄米の味や硬さが気になるという方もいるだろう。その場合は、玄米と白米の中間処理段階である胚芽米がオススメだという。

そして白米に続いて、牛肉や豚肉、羊肉といった、四足動物の食肉も、がん予防の観点からは気になる食材になるそうだ。
これは、N-ニトロソ化合物、ヘテロ環アミンなどの強い発がん物質が含まれているからだというが、中でも、ハムやソーセージなど加工してあるものは、塩分過多という側面も加わって、危険性がさらに増すというのだ。

『ほどほど養生訓(実践編)』(日本評論社)の著書があり、予防医療学が専門の新潟大学名誉教授・岡田正彦氏(医学博士)が、塩分摂取の危険性を解説する。
「過剰な塩分はがん、特に胃がんの最大原因なんです。塩分は、胃の粘膜を荒らし、細胞を壊すんですが、その壊れた細胞を修復するために周囲の細胞が盛んに分裂。これを繰り返している間に遺伝子が傷つき、がんになるようです」

世界保健機関(WHO)が定める1日の塩分摂取目標は5グラム。ところが、しょうゆ、みそ、漬物など、我々の食生活が"塩"と密接に結びついていることもあり、日本人の実際の摂取量は、かなり超過しているという。

さらに岡田氏が注意を促すのが、ジャガイモを高温加熱した料理だ。
「長時間高熱を加えると、ジャガイモの成分の一部が発がん物質に変化することが分かったんです。フライドポテトが日常的に食べられる欧米では、このニュースが流れるや大きな社会問題となり、詳細な調査も行われています」

フライドポテトのみならず、ポテトチップスもそれに該当する。たまに1人分(100グラム)を食べるだけなら問題ないが、それが毎日となると、許容できる範囲を超えるという。
「他にも、マーガリンなど固形の脂肪食品にも、がんの有害物質が含まれていることが分かっていますし、カビも肝臓がんの原因になるんです」(前同)

カビを好きこのんで食べる人は少ないが、ナッツ類やトウモロコシのように、カビが生えているか分かりにくい食材があるので、ぜひ注意していただきたい。

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