トライアウトから10日を経た11月20日現在、高校の先輩でもある梶谷隆幸のいるDeNA入りが発表されたこの白根を含め、次の所属先がすでに決まっているのは、先の鵜久森(ヤクルト)、山内壮馬(中日→楽天)、金伏ウーゴ(ヤクルト→巨人育成)のわずか4名のみ。10名以上が合格した昨季と比べても、トライアウトは、いっそう狭き門となりつつある。

「受けるかどうかをずっと迷っていたんですけど、ドラフトの候補に挙げられていたチームメイトたちが指名されずに落胆している姿を見て、彼らの分まで僕が頑張ろうと思ったんです」 そう言って、2年連続でのトライアウト挑戦を決めた佐藤は、実兄・由規(ヤクルト)の助言でBCリーグに活路を求め、今季は打率3割2分6厘と福島の主力として活躍。「一時は諦めかけた野球を続けてよかった」と振り返った。

 だが、今のところ、そんな熱い想いを秘める彼自身に手を差し伸べる球団はなく、兄の由規も、来季は育成契約に“格下げ”というのが現実でもある。選ばれし者たちだけがスポットライトを浴びる、プロ野球という厳しき世界。明暗の分かれた彼らの、これからにも注目したい。

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