3県で注意報が出るほど大流行中…かかるとやっかいな「流行性耳下腺炎」とは?の画像
3県で注意報が出るほど大流行中…かかるとやっかいな「流行性耳下腺炎」とは?の画像

 冬になると、カゼ、インフルエンザ、ノロウィルスなど、健康を脅かす病気には気をつけないといけません。そこで気にしていただきたいのが、現在「流行性耳下腺炎」の感染が拡大しているということ。わかりやすく言えば、つまり「おたふくかぜ」が流行しているのです。国立感染症研究所がまとめた患者報告によると、前回の流行以降で最多の患者報告数を記録。佐賀県、石川県、広島県では注意報が発令されたほどです。

「おたふく」という呼び名からもわかるように、耳下腺が腫れて、しもぶくれで「おたふく」のような顔になるのが、この病気の最たる特徴です。唾液などに含まれる「ムンプウイルス」が飛散し、鼻や口などに付着することでかかります。症状は感染してから14~24日後で、悪寒や頭痛、唾液(耳下)腺の膨張などが主な症状で、高熱が出ることも。しもぶくれのピークは3~4日で、1週間くらいで引いていくようです。ご存じでしょうが、子どもがかかりやすい病気で、ピークは4~5歳と言われています。

 ところが、この「おたふくかぜ」は大人もかかることがあり、成人してからのほうが合併症を引き起こすなど、厄介な症状に見舞われる可能性が高いのです。例えば熱。子どもに比べると高熱になるケースが多く、40℃近くになることも。耳下腺の腫れもひどく、かなりの痛みを伴います。大人の場合は、侵入してきたウィルスに免疫が激しく抵抗するので、高熱や激しい炎症を引き起こすようです。

 合併症にも注意が必要です。熱が下がらない、嘔吐、激しい頭痛、腹痛といった症状が現れた場合は、「髄膜炎」「脳炎」「すい炎」といった合併症を起こしている可能性があり、早急に受診しなければなりません。とりわけ女性だと、「卵巣炎」になってしまうことも……。卵巣炎になっても不妊になる可能性は低いのですが、長期的な後遺症になることもあり、激しい腹痛があるようなら、即クリニック・病院に行くことです。

 おたふくかぜはカゼの症状に似ているので、自分自身も周りの人がかかったとしても、なかなか気付くことができません。とはいえ、不調を感じて、さらに耳の下が腫れだすようならおたふくかぜの可能性が大。重篤化して感染を拡大させてしまっては、元も子もありませんから、すぐに専門医へ。また、腫れがあるうちは感染力があるということですから、治療に専念すること。熱や倦怠感が引くまでは、安静にしましょう。

 子どものころにかかったか記憶がない・定かではないなら、血液検査を受けるのも手です。検査の結果、ムンプウイルスの抗体がついていないようなら、予防接種を受けておくのがベスト。おたふくかぜは、大人になってからのほうが怖いので、早急にケアをしておきましょう。

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