美和 今年もよろしくお願いいたします。宗男先生は、どんなお正月を過ごされました?

宗男 年末の30日まで仕事でした。大晦日は自宅で、長男・次男家族も含めた鈴木家勢揃いで新年を迎えましたね。

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美和 昨年は訪日観光客が過去最高となり、中国人観光客による「爆買い」で一部では笑いが止まらないところもありました。その反面、怖いのが日本で起きるテロなどですね。そこで、今回のお題はIS(イスラム国)問題です。パリのテロ事件をきっかけに、欧州ではアラブからの難民の受け入れを制限する国が相次ぎ、イスラム教徒への差別の問題も起こっています。安保法制によって、今後「巻き込まれる」可能性など、外交の問題に詳しい宗男先生の見解を教えて下さい。

宗男 「見えざる敵」テロとの戦いが、今世界でいちばんの脅威ですよね。ここで読者のみなさんにもよく解って欲しいのは、「安保法制」なんかやっても何の意味もないということ! テロリスト相手に安保法制をどうやって運用しますか?(怒)

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美和 「自爆テロ」をやられちゃったら、おしまいですよね?

宗男 「何が大事か?」というと無論安保法制なんかじゃないんです。何が大事か佐野さん解りますか?

美和 精神的なものですか?

宗男 “情報”なんです! 世界の主要な国々、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、ドイツ、イスラエル、日本。世界のこういった国々が情報を共有するのがいちばんなんです。今回のパリでのテロでは、首謀者がヨーロッパに入っているということがわかっていた。しかし、ベルギーもフランスも知り得ていなかった。事件の3日後に教えられた。もっと情報を共有していれば防げた話なんです。「インテリジェンス=情報機関」が必須です!!

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美和 シンクタンクみたいな所が必要という事ですか?

宗男 「シンクタンク」じゃなくて、アメリカでいえばFBIだとか、日本でいえば内閣調査室だとか防衛省の情報室、国際情報室も入るだろうし、外務省の国際情報局もそう。イギリスでいえばMI6、まさにジェームスボンドの世界なんです。

美和 まだ「007」最新作観てないです。映画さながらになってきちゃいましたね(笑)。

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宗男 “映画さながら”じゃ困るんですよ!やはり「現実の危機」としてあるわけですから。私は、情報の共有の重要性を考える必要があると思う。もうひとつは情報の専門家を育てなければいけないということ。

美和 それは内閣調査室とかを強化するということですか?

宗男 内閣調査室では、国内はいいけど海外では通用しません! はっきり言って。もっと外務省とも連携をしないとだめです。

美和 もしISが入って来ても、まったくノーマークという感じですかね?

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