今年は阪神優勝!? プロ野球12球団「2016年優勝力」データ査定の画像
今年は阪神優勝!? プロ野球12球団「2016年優勝力」データ査定の画像

「開幕が待ちきれない!」というファン必読の統計学的順位予想。今年、頂点に立つのは、どのチームだ!?

 プロ野球も各球団の今季の戦力が出揃い、キャンプインの時期が迫ってきた。そこで、今年も本誌恒例のSM理論に基づいた、どこよりも早い12球団の“優勝力”を分析したい。SM理論とは、統計学の手法を用いた戦力分析法で、投手力を判定する数値としてWHIP、打者にはOPSという数値を用いる。「WHIPは、被安打数と与四死球数の合計を投球回数で割った数値で、投手が1イニング何人の走者を出したかを知ることができる。OPSは、出塁率と長打率を合計したもの。打率が得点との関連性が8割弱なのに対し、OPSは9割強と、打者の真の実力が判定できる数値です」(専門誌記者)

 WHIPは、優秀な投手ほど数値が低く、1を割ればリーグを代表する投手となる。昨年、先発陣で1を割ったのは、マイコラス(巨人)、大谷翔平(日ハム)、岸孝之(西武)など一握り。一方、OPSは、.900を超えればリーグを代表する強打者となる。昨季の山田哲人(ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)は、ともに1.000超えるズバ抜けた数字を残している。

 本誌は、今シーズンの予想レギュラー陣の数値を算出し、チームごとに合算、平均して優勝力を比較した。それが、下の表だ。

セ優勝

 その結果、セ・リーグで優勝力が最も高かったのは、僅差ながらも巨人ではなく、なんと金本知憲新監督の新生・タイガース。昨季は、ペナント終盤の急失速で3位に終わったが、チーム力は高い。OPSに関しては.734とリーグトップの数字を叩き出しているのだ。「昨年の戦犯であるマートンに代わり、獲得した新外国人ヘイグの存在が大きい。昨年は、ブルージェイズのAAAでのOPSは.885。打率は.338で首位打者を獲得。彼が昨年通りの活躍をすれば、優勝の可能性は十分にあります」(在阪スポーツ紙記者)

 さらに、昨秋のドラフトで獲得した明大の髙山俊の存在もプラス材料。高田繁の持っていた六大学リーグ最多安打記録を131にまで伸ばした打力は本物だ。「最速161キロを誇るスイングスピードと、50メートル走5秒8のスピードを活かせば、長打を量産できる可能性があると、金本監督も期待しています」(前同) もちろん、阪神には抑えの切り札・呉昇桓の退団というマイナス要因があり、リリーフ投手のWHIP平均はリーグ4位なだけに不安要素もある。「しかし、先発陣は、メッセンジャー、藤浪、能見と安定感があり、そこに、どこまでやれるかは分からないが、藤川球児が加わる。藤川が08年に叩き出したWHIP0.63のような活躍ができれば、優勝は見えてくるでしょう」(同)

 この阪神に僅差で肉薄するのが巨人。高橋由伸新監督を迎えた新生ジャイアンツの投手陣の平均WHIP1.17はセ.リーグ随一。しかし、打撃陣を見ると、平均OPSこそリーグ3位だが、チーム打率はリーグ最下位。さらに、主軸を見ると、坂本.754、長野.725、阿部.784と、主軸の平均OPS.754はリーグ5位なのだ。「これでは、投手がいくら踏ん張っても、勝ち星を稼げません」(スポーツ紙記者)

 高橋監督の悩みは深い。主軸の平均OPSが.888とリーグ1位なのは、昨年の覇者・ヤクルトだ。「なんといっても、山田の存在が大きく、川端、畠山とOPS.800以上の強打者の力は侮れませんが、下位打線が他球団に比べて格段に低い数値で、平均OPSはリーグ5位と力不足でしょう」(前同) 投手陣は、WHIP0.90のバーネットの穴が大きく、新外国人投手デービーズの出来にかかっている。昨季Bクラスに沈んだ広島と中日は、ともに大きな痛手となる流出があり、今季も苦戦が予想される。「広島はマエケンの抜けた穴が大きく、先発陣が駒不足。中日はさらに悲惨で、前年から戦力の上積みがないうえ、ルナが流出。OPS平均.663の打線ではどうにもならない」(同)

 Bクラス球団の苦戦が予想される中、唯一、下剋上を果たしそうなのが、最下位に沈んだDeNAだ。OPS.921を誇る筒香を筆頭に、主軸の平均OPSはリーグ2位。リリーフ陣のWHIPに至ってはリーグ1位なのだが、先発陣のWHIPが最下位。「昨季、前半戦を首位で折り返したように、着実に地力はついてきています。課題の先発陣に目途が立てば……。打力のあるチームは、昨季のヤクルトのように波に乗って、一気に優勝する可能性もありますよ」(同) 

  1. 1
  2. 2