チームのために利己心を捨てた高橋だが、一方の金本知憲新監督も、気迫溢れる全力プレーでチームを救ってきた。前述したように、危険球を受けても次打席に立ち、本塁打をかっ飛ばしたのは、いまでも語り草だ。「ですが、そうした“奇跡”は単なるスタンドプレーではありません。厳しいトレーニングと練習が生み出した、努力の賜物であることを、当時のチームメートたちはよく知っています」(専門誌記者)

 こうした人柄ゆえか、「金本阪神」の誕生と同時に、コーチ陣に03年、05年の優勝戦士たちが続々と集結している。金本監督に頼まれたら、当時のチームメートは、おっとり刀で駆けつけざるを得ないということだ。さらに驚くことに、うるさ型のOB・江夏豊氏も、春のキャンプには臨時コーチとして全面協力する姿勢を見せているという。

 こうした“オール阪神スタッフ”は、金本新監督には大きなアドバンテージ。単に人望という点では2人は互角だろうが、“オール阪神”のバックアップ体制の出現により、金本監督が一歩リードというところか。

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