寝不足でも寝過ぎでも体に危険!?「最適な睡眠時間」とは?の画像
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 人間にとって適切な睡眠時間についてはさまざまな説があります。8時間以上寝たほうがいい、いや3時間で十分だ、そんな論争にいよいよ決着がついた模様です。

 2016年3月に発表されたノルウェー科学技術大学の研究によれば、睡眠時間は長すぎても短すぎても、心臓疾患を引き起こし、死亡する確率が増加するとのこと。しかも怖いことに、こうした影響は女性のほうに顕著に現われるというのです。

 この研究は、約25年の間続けられ、39万人を越える成人男女に追跡調査を行ったそうです。長期間にわたる研究の結果、見えてきたのは睡眠時間によりリスクが増減するということでした。

 睡眠時間が0~4時間の人は、冠動脈疾患(急性心筋梗塞、心臓発作)、不安定性狭心症など、心臓をとりまく冠動脈の内側にコレステロール・脂肪がつき、十分な酸素や栄養を心筋に供給できなくなる疾患による死亡リスクが、ひと晩に6~8時間の睡眠をとる人より36%増加したといいます。また、ひと晩に8時間以上寝る人も冠動脈疾患で死亡するリスクが28%増加。ひと晩あたり4~8時間弱程度の睡眠をとることが、最も低リスクであることがわかりました。

 日本人の平均睡眠時間は7~8時間前後と言われていますので、基本的には問題ない睡眠時間といえます。ただし、女性は男性より寝つきや眠りが浅いので、やや長めに睡眠をとる必要があります。それでも眠り過ぎはよくないので「ベッドに入っていていいのは、6時間以上9時間未満まで」というルールを決めておくといいでしょう。

 ほかの症状のリスクを考えれば睡眠時間の長短は変わるかもしれませんが、アメリカでもメタボなど生活習慣病のリスクを抑えるために、ひと晩に7~8時間寝ることを推奨しています。

 日本における死因の上位を、心臓発作や狭心症といった心疾患による突然死が占めていることを思えば……1日の睡眠時間は、6~8時間弱に保っておいたほうがよさそうですね。

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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