皐月賞の成績を、10年前、20年前……と見ていくと、新理論好きなら誰でも、名前のなかに「イ」「シ」のふた文字を持っている馬が、10年置きに激走していることに気づく。事の始まりは、40年前の1976年。この年の皐月賞は、厩務員ストライキで実施が1週間順延され、コースを東京に変えて行われたのだが、そんなトラブルをものともせず、2番人気のトウショウボーイが、後続を5馬身もちぎって勝った。ものすごい速さと強さ。

 良馬場の皐月賞で後続を5馬身もちぎったのはトウショウボーイが最初でいまだに破られていない。このトウショウボーイの名前のなかにある「イ」と「シ」が、10年後、1986年の皐月賞でまた出現するのだ。

 4番人気のフレッシュボイスが、強烈な末脚で2着に突っ込んできたのである。その10年後、1996年の皐月賞では、イシノサンデー(4番人気)が優勝。そのまた10年後、2006年の皐月賞はメイショウサムソン(6番人気)が優勝。

 さらにまた10年たって、今年はその「イシ」の年なのである。さて、どんなイシが……。登録馬を見たら、この世で最も固い“石”、ダイヤモンドを名に持つ馬がいた。こりゃあ、もう、この馬で決まりだよ。サトノダイヤモンド!

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