まずは「勝てるホール」。プロの目から見て、いったいどんな店が「勝てるホール」なのだろう。アンドレ氏はこう語る。「狙い目は、大型店舗より中小ホールです。個人的には、内装や店内ポップに手作り感があるような、こじんまりとしたホールのほうが勝てる確率は高いと思いますね。そういうホールは、お客さんを大事にしてくれる印象があります」

 最近増えている大型パチンコホールは、店内がキレイで設備も充実。とても魅力的な存在だ。ただ、大型店舗は多くの集客が見込める一方、従業員も大勢必要になる。従業員の確保に迫られ、連休中だけバイトの時給をアップさせる店舗まであるという。

 つまり、店の規模が大きくなればなるほどコストは増えるので、店の利益を優先させることにつながるのだ。

「また、店によっては、連休中に儲けることよりも“この時期に固定客を付けたい”という思惑が働きます。特に郊外や住宅地のホールにその傾向が強いです。お客がホールに足を運びやすい連休中は、絶好のアピールチャンスでもある。たとえ赤字を出してでも、ここでライバル店の客を奪いたいと考えるんです」(前出のアンドレ氏)

 かつては大盛況だったパチンコホールも、近年の不況のアオリをうけ、多くの店舗が閉店に追い込まれている。いまやパチンコホールは生き残りに必死。目先の利益に走ってしまっては、他店との競争に負けてしまう。そんな危機感を持ったホールを見極めるのが重要というわけだ。

 また今年の場合は、5月に開催される伊勢志摩サミットの影響もある。警察への配慮から、5月中の新台入れ替えが全国的に自粛されるのだ。各ホールは「新台入れ替え」という絶好の客寄せイベントなしで、5月中の営業を迫られる。連休中だからとガッツリ回収営業をしてしまっては、その後の営業にも支障をきたしかねない。つまり例年以上に、GW中の営業でアピールする必要があるわけだ。

 近隣に何店舗かパチンコホールがあるならば、一度比較してみるのもいい。

「新台入れ替えを頻繁に行っているホールより、入れ替えする機種を吟味しているホールのほうがチャンスです。前者の場合「新台=利益を抜く」としか考えていないので、どんな機種でも扱いは一緒。後者の場合は、導入する機種を店の看板機種として長く設置し続けたい意思があります」(同)

 パチンコ台の価格はおよそ1台あたり30万円前後。頻繁に入れ替えるなら、それだけパチンコ台の費用の回収を短い期間で行わなくてはならない。一方、1つの機種を長く設置するためには、お客にずっと遊んでもらうための営業努力、つまり出玉による還元が必須。入れ替えを控えれば、パチンコ台代金の回収を長いスパンで行うことができ、お客にも還元しやすくなる、というわけだ。

 5月に新台入れ替えができない今年は、これまで新台入れ替えに頼ってきたホールと、じっくり営業努力をしてきたホールの差が浮き彫りになる可能性は大きい。4月に大量の新台を慌てて導入しているようなホールは要注意かもしれない。

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