「デイリー杯3歳ステークス」は、3歳による芝1400メートルのレコードタイムでぶっちぎりのV! これでもう、大丈夫かなと安心した4戦目、「阪神3歳牝馬ステークス」では、直線で謎の失速と、まるでオセロの黒と白。今思うと、気性の激しさを自分でも持て余している感じの走りでした。

 しかし、そんな彼女だからこそ、日本調教馬初の海外G1ウイナーという歴史に残る大仕事をやってのけられたのだと思います。気性が難しくても、乗り心地は超一級品。トップスピードに乗ったときの走りは、まさしく世界一でした。

 現役引退後、彼女は若くしてこの世を去りましたが、マイネルラヴ、ゴールドティアラ、シーキングザベスト、シーチャリオットなど同じシーキングザゴールドを父に持つ仔どもたちが、そのまた仔どもたちへと血を受け継ぎ、その仔たちがさらにまた、その仔たちへ伝えていこうとしています。

 ある馬は、両親の背中を追いかけて。また、ある馬は、親が成し得なかった大きな勲章をつかむために。たまには、そんな物語を感じながら、予想するのも面白いかもしれません。

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