「秋ナス」は、なぜ夏のナスよりも美味しいのか?の画像
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 ナスは、夏に一度収穫され、秋に再び実ります。これを秋ナスといいます。昔から「秋ナスは嫁に食わすな」といいますが、これには解釈がいくつかあります。まずは、秋のナスはとてもおいしいため「嫁に食べさせるのはもったいない」という、姑の嫁いびり説。いや、ナスは身体を冷やすため「嫁が身体を壊さないように」気遣ったという説。他にも、秋ナスには種がないため、「子種に恵まれない」という迷信を気にする説があります。どれが真実かは謎ですが、身体を冷やさないようにと気遣ったという解釈だったらいいなと思います。

 そんなことわざにもなる秋ナス、そのおいしさには理由があります。夏は暑さが過酷なため、ナスは花粉をうまく作れず、着果の確率が6割程度しかないそうです。また、夏のナスは、実がなってもエネルギーの大半を呼吸に消費し、養分が果実にあまり回らないのだとか。だから夏のナスに比べ、暑さが落ち着いた秋になるナスは、アミノ酸や糖といったうまみ成分が増えるというのです。

 秋ナスは食べておいしいだけでなく、実は美容的にもとってもおいしいのです。ナスの紫色、アントシアニン系の「ナスニン」という色素は抗酸化作用があり、肌バリアをつくるのに効果的な成分です。ブルーベリーにも含まれるアントシアニンは、眼精疲労を軽減したり、コレステロールを下げる働きもあります。また、ナスは水分を多く含むため、便秘の改善にもよいそうです。

 秋ナスを使ったオススメメニューは、「秋ナスとピーマンの肉みそ生姜炒め」。どこにでもありそうな普通のメニューですが、ピーマンはビタミンCが豊富で、秋ナスととれば抗酸化作用がアップします。ビタミンCは熱に溶け出しますが、油で調理することである程度防ぐことができます。また、ビタミンCと肉のたんぱく質は、コラーゲン生成に欠かせません。さらにおみそも栄養満点、生姜はナスによる冷えを和らげてくれます。

 ことわざにもおいしさにも理由がある秋ナス。どんどん食べて、きれいになっちゃいましょう!

長谷川正和
86年、神奈川県生まれ。男性のハンドモデルとしてコマーシャルから広告、再現VTR等に出演。物心ついた頃からお腹が弱いため、身体の「中身」のスキンケアも徹底している。

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