さらに、前出の検察関係者は、こう首を傾げる。「実は、高畑が拘束され、逮捕される前、高畑サイドとA子さん側のX氏とが、前橋署の控室で“示談”も含め、謝罪の話し合いをしているんですよ……。警察署内で事件の当事者同士が話し合いをすれば、当然、高畑側にとっては逮捕が頭にチラつき、相当にプレッシャーになるのに、なぜ事件を巡る双方の話し合いを、警察署内で行ったのか、はなはだ疑問ですよ」

 月刊『創』編集長で、ジャーナリストの篠田博之氏も、今回の県警の捜査のあり方に関しては懐疑的だ。「歯ブラシうんぬんは警察がオフレコで語ったことでしょう。事件の悪質性を理解するうえで、非常に分かりやすい。でも、裕太さんが認めてもいないというのに、なぜ、被害者側の言い分を鵜呑みにして、そのまま広報したのか? おかしいですよ。もちろん、警察情報をそのまま報じる大手マスコミも問題ですがね」

 さらにジャーナリストの寺澤有氏に至っては、被害者女性側の知人X氏が、110番通報したとされることに、こう疑問を呈する。「元反社会的組織の人間となれば、一般には、より捜査に慎重を期すもの。それを分かりながら早期に逮捕したのは、県警にしても高畑が有名人だから手柄になるということで飛びついたと疑わざるをえないですね。警察情報をタレ流しにした大手マスコミは、今後は名誉挽回のためにも、群馬県警の捜査手法のあり方を取材すべきではないでしょうか……」

 被害者Aさんの心と体の傷はあまりに深いが、今回の件で高畑が失ったものも決して小さくはない。事件が残した傷が癒える日は、はたして来るのだろうか?

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