今年1月、長野県の碓氷峠付近で格安スキーツアーのバスが道路脇に転落。運転手2人と乗客13人が死亡する惨事となった。「目的地に朝着けばいいからと一般道を走って高速代を浮かせようとしたことが、事故の原因といわれている。業界ではわりとあることだが、会社によっては“半分は下道を通るように”と命じるところもあり、高速に乗ったらドライバーの自腹になるんだよ」(前同)

 亡くなった65歳の運転手が時給900円で、大型バス未経験者だったこと、さらにはバスの整備不良も判明。「格安」の裏にある過剰な“経費節減”の実態が明るみに出た。「これほど悪質な会社は珍しいが、本質的には、安価で効率的なサービスを業者に求めすぎる社会の縮図。ドライバーを殺すのは、我々なのかもね……」(同)

 便利な生活の陰で、今日もどこかで走り続けるドライバーたちの悲鳴に、今こそ耳を傾けたい。

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