男子ゴルフのメジャータイトル『日本オープン』は、この試合が今年、日本ツアー初戦となる松山英樹選手が優勝。3日目、4日目は、競馬の開催日と重なるため、そのプレーをテレビで見ることはできませんでしたが、“勝って当然”というムードの中で、最後まで冷静に自分のゴルフを貫いた松山選手の精神力は、同じアスリートとして見習うべきところが大です。

 連日、周囲を埋め尽くしたギャラリーの目を、「これだけ応援してくれると、ふがいないプレーはできないし、頑張ろうと思った」と力に変え、優勝確実の状況で外した1.5メートルのパーパットの後は、「あれを決められないようじゃ向こうのメジャーでは勝てない。向こうでも勝てるようにもっと練習したい」と語ったその言葉には、世界で戦ってきた男の凄みを感じました。

 競馬とゴルフ。競技は違いますが、今週末、10月30日、東京競馬場を舞台に行われる大一番、G1「天皇賞(秋)」に臨むエイシンヒカリも、松山選手と状況がちょっと似ています。

 昨年12月の国際G1「香港カップ」(芝2000メートル)をレコードで快勝。ヨーロッパ初戦となった今年、5月24日(フランス)のG1「イスバーン賞」(芝1800メートル)でも10馬身差の圧勝で、国際競馬統括機関連盟(IFHA)による「ワールドベストレースホースランキング」で1位を獲得。日本馬初となる海外G1レース3連勝をかけて挑んだ6月15日の「プリンスオブウェールズ」(芝2000メートル)を勝つことはできませんでしたが、世界ランキング2位のサラブレッドとして、この「天皇賞(秋)」に挑むことになりました。

 しかも、連覇を狙う「香港カップ」がラストランになるエイシンヒカリにとって、今年、国内初戦となる東京競馬場でのレースが、同時に国内ラストランになります。

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