出久根達郎さんの短編を集めた『半分コ』(三月書房)という本がある。タテ15.3センチ、ヨコ11.7センチの小箱入り。その表題作の「半分コ」が、和文英訳授業の対象になったと、近所のラーメン屋でよく会う女子大生が言う。聞いたら、半分コという言葉はブレイク・イーブン(BREAK・EVEN)と英訳したそうだ。五分五分(EVEN)に割る(BREAK)で、半分コ。「おお、これは百点」と担当教授に褒められたそうだ。

 そういえば、西部劇のポーカーのシーンで、近づいてきた親分が、子分に「どうだ?」と訊き、子分が「イーブン」(損得なし)と答え、そのとき字幕は「とんとん」となっていたのを思い出す。五分五分、あるいは損得なしは、英語でイーブン、くだけた日本語ならとんとんなのだ。

 そのとんとんが、出馬表に顔を出した。2月5日(日)、東京5R。
 12番 レインボーショッ(ト)
 13番 ラストプライドワ(ン)
 14番  タイセイサルー(ト)
 15番   アビラウンケ(ン)

 そこで「トントン」と「イーブン」の8文字がすべて揃う、6枠(サ(ト)ノルーラー、レイ(ン)ボーショッ(ト))と8枠(アビラウ(ン)ケ(ン)、スタ(ー)ラ(イ)ト(ブ)ルー)の枠連1点勝負。

 そうしたら的中。とんとんではなく、2・1倍だった。

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