――では最後に詩集も出されている又吉さんですが、大衆読者に向けてこの映画にちなんだ詩を頂けますか。

「『袋とじ100冊、開けないこと、イコール寿命を6年』。袋とじを100冊分開けないことに耐えたら寿命が6年延びるけど、6年ぐらいやったら開けた方がましと……それほど袋とじって魅力的なものという自由詩です」

――ではお願いついでにもうひとつ、もし週刊大衆で小説を書くならどんなお話を構想されますか?

「そうですね。『開けなかった袋とじ』というタイトルの連作短編集みたいな感じで」

――やっぱり袋とじですか(笑)。

「なぜ主人公はボクみたいに自意識過剰やから格好つけて袋とじを開けなくて、いつか開けようと思っていたら掃除で片づけられ、袋とじを失って悩んで、でもどっか古本屋で大量に大衆を見つけて思う存分、袋とじを開けるという……」

 物語を妄想しはじめると映画の主人公同様に止まるところを知らない又吉は、いつしか本誌記者を巻き込み作品構想を語ってくれた。「いつか書いてください。いつまでも待っています。又吉先生!」 本誌記者の野望にも火がついたようである。

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