ゆま「放射線治療だったんですか?」

西村「いえ。それをやると、骨髄まで焼くので体力が落ちる。つまりプロレスはもうできない体になると言われたので、断りました。結局、最低限の手術だけをして、あとは経過観察という形にしたんです」

ゆま「そうだったんですね……食事の改善を始められたのは、その頃からですか」

西村「はい。いろいろと調べると、大事なのは、やはり免疫力を上げること、血液をきれいにすることなんですね。そのために、イタリアの農家にホームステイしたり、台湾で漢方薬の勉強をしたり、インドで体質改善に挑んだりしたんです」

ゆま「すごい! ありとあらゆるものを試されたんですね。その中で日本人は、やはり昔からの和食が一番良い、という結論に?」

西村「そうです。その結果、体調も良くなって、プロレスにも復帰できたんです」

ゆま「ただ、トレーニングする人はプロテインなど、タンパク質をたくさん摂ると聞いたんですが……」

西村「お米にもタンパク質は含まれているので、無理に肉を食べる必要はないんです。実際、私はトレーニングをしながら“おにぎりと味噌汁”だけの生活をしたことがあるんですが、4日目には自分でも驚くほど体が軽くなり、コンディションも良くなりましたよ」

ゆま「和食で十分なんですね。とはいえ、やっぱりストイック。西村さんは、常に自分を追い込んで磨いている感じがします」

西村「自分を追い込むことは、精神修行の一環だと思っていますから」

ゆま「私ではとても真似できないかも。たまには、息抜きもされるんでしょ?」

西村「もちろんです。昔からスノーボードが好きで、今も冬場、時間があれば、越後湯沢に行って滑っています。夏は九十九里の海で楽しむのが趣味ですね」

ゆま「アウトドア派ですね!」

西村「あとは、バー巡りも。静かな雰囲気の中で飲むのが落ち着くんですね」

ゆま「ステキ! ホテルのバーとかですか?」

西村「はい。高級なイメージもありますが、意外と、そういうバーでもハッピーアワーに行けば、安い値段で飲めるんです。ちなみに私は、そうした情報をよくネットでチェックして行くようにしています」

ゆま「アハハ。プロレス時代のハチャメチャな話から、真面目な食育の話、でも、ふだんはハッピーアワーをチェックしているかわいさ。第一印象の最悪なイメージとは、私の中で西村さんが別人になりましたよ(笑)」

西村「いやあ、最後にもう一度。あのときは本当に申し訳ありませんでした!」

西村修 にしむら・おさむ
1971年9月23日、東京都文京区生まれ。高校卒業後の90年に新日本プロレスに入団。91年にデビュー後、93年にはアメリカに武者修行に出発。98年にがん宣告を受けるが、00年に復帰を果たす。現在は全日本プロレスにスポット参戦しながら、文京区議会議員を務める。現在2期目。

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