志村「ゆまちゃんも、今回で3回目だろ。もうだいぶ慣れてきたんじゃないか」

ゆま「最初の頃に比べたら少し肩の力が抜けた感じはします。あ、変わった点では、お稽古が楽しくなってきました。志村さんのアドリブにも、素直に笑えるようになりました」

夏希「それ、分かる。稽古のときも志村さんは突然アドリブを入れるじゃないですか。それが面白いんだけど、“笑っていいのかな?”と思っちゃうよね、最初は」

志村「面白ければ、ちゃんと笑ってくれよ。稽古のときに、いろいろと試しているんだから」

ゆま「それが初めの頃は、衝撃だったんです。まさか、お稽古でアドリブがくるとは思わないですよ」

志村「まずは共演者を笑わせないことには、お客さんも笑わせられないだろ」

夏希「なるほど。そういう狙いがあったんですね」

志村「と言いつつ、いつも同じセリフじゃ飽きるんだよ」

ゆま「えっ?」

志村「みんなも、飽きちゃうと思って、アドリブを入れているんだよね」

夏希「ちょっと待ってください。じゃあ、本番のときのアドリブは?」

志村「……あれも本番中に急に飽きちゃって、違うことを言いたくなるんだよ」

夏希「ええ!? こっちはいきなり違うセリフがくるから、アタフタするのに」

ゆま「その理由が“飽きちゃった”だなんて……」

志村「ハハハ! まあ、ゆまちゃんも、この3年で変わったよな。さっき自分でも言っていたけど、確かに自分から楽しもうとしているよな。いいことだよ。やっぱり演じている人間が緊張していると、それがお客さんにも伝わっちゃうんだよな」

夏希「志村さん! 私は今年で4年目ですけど、少しは成長しました?」

志村「……お前は変わらないなぁ。困ったことに。今日も踊りを見て“あ~あ~”と(ため息交じり)。逆に違う発見があったよ」

夏希「シュン」

志村「でも、今はつらいだろうけど、そのつらさを噛みしめて乗り越えれば、最終日に泣いちゃうんだよ」

夏希「そうですよね。ダンスを頑張って、最終日に大泣きすることにします」

志村「おいおい」

ゆま「私なんて昨年、最後から1回前の公演にウルウルしちゃったよ。“次で最後なんだ”と思ったら、もうダメ……志村さんもそういう気持ちになります?」

志村「なるよ。俺も最終日は特別な気持ちになるよ。だって、1か月近く着ていた衣装を見て、“これをもう明日からは着ないんだ”と思うと、ホッとすると同時に寂しくなるよ。もちろん、一緒に舞台に立ってきたメンバーやスタッフとも明日から会わないんだ、という寂しさもある」

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