その後、風香から“私が選手を集めるから団体を作ってほしい”って話が来たんですよ。『アルシオン』の件もあったし、また、同じことを繰り返すのかって、はじめは断ろうと思っていたんです。

 でも、みちのくプロレスに新崎人生っていうレスラーがいるんです。彼は、何千万っていうお金を借金して、ラーメン屋を始めるっていうんです。彼と話している時に、“小川さん、今いくつですか?”って言われて、“53だけど”と返すと、“じゃあ、あと2回勝負できますね”って。

 その言葉に背中を押されたのかな。もう流れに乗っていくしかないなって思って、また団体を立ち上げることにしたんです。

 インタビューだから、昔のことも話しますけど、昔のことはあまり語りたくないんです。なぜかっていうと、今現役だから。現役から離れた人は昔話してればいいんです。昔は良かったとか言い始めるのは、自分がこの世界をやめる時ですよ。

 日本に女子プロレスを根付かせたのは、全日本女子プロレスを仕切っていた松永兄弟。自分の役割は、松永兄弟より上を行かなきゃと思っている。そのためには、世界を視野にいれていかなければいけない。

 今、世界に向けて動画配信、海外での興行をやっています。“女子の団体といえば『スターダム』だね”って世界で言われるようにする、それが今の一番のモチベーションです。

撮影/弦巻 勝

ロッシー小川 ロッシー・オガワ
1957年5月1日、千葉県生まれ。学生時代に、趣味で全日本女子プロレスの写真を撮っていたところ、その写真がパンフレットで使用され、広報として全女に入社。クラッシュギャルズ、北斗晶などの人気選手のマネジメントに携わり、97年に退社。新団体『アルシオン』を立ち上げる。しかし、人気選手の離脱が相次ぎ、03年に解散。その後、風香、愛川ゆず季など数々の人気選手をプロデュースし、11年に『スターダム』を立ち上げる。女子プロ界で一番人気の団体に成長させ、現在も同団体の代表として活躍する。

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