――再現VTRのギャラは、一本あたりいくらほどもらえるんでしょうか?

芳野 毎月3本ほど仕事が入れば、月収としては3万円ほど。それでも収入としては“いいほう”なんです。まったくゼロの月もありますし。『マツコ』の放送後の7月は4本出演できたんですよ!

――女優としての収入だけでは、生活が大変ですね。

芳野 今は請求書をひたすら起こしていろんな取引先に送るというアルバイトと、コールセンターのかけ持ちです。そこのバイトは融通のきくところなんですけど、成績がよくて“エース”だなんて呼ばれていて、上からのプレッシャーが強くて、女優業との比重に悩んでますもん。

――再現の現場では、衣装をご自分で用意しないといけないと聞いたのですが。

芳野 基本はそうですね。時代モノだったり、よほどのことがない限りは自分で持っていくようにしています。しかもどれを使うかは現場の雰囲気を見てみないと分からないところもあるので、毎回スーツケースに何十着も詰め込んで。

――その衣装も、モチロンご自分で購入されるわけですよね?

芳野 そこも大変なんですよ。しかもいつ、どんな芸能人の再現がきても大丈夫なように、自分の趣味じゃないような洋服を買うんです。今日着てきた赤い服も、実は全然趣味ではなくて、本当は黒色の洋服が好きなんですけど、少しでも絵面がいいように赤を買おうかな、とか。ふだん買い物するときに「これ再現で使えるな」って考えるのは習慣になってますね。

――涙ぐましい努力ですね。

芳野 街でかわいいって思うものを見つけても、テレビ的に面白くないな、見栄えが悪いなって思ったら諦めちゃう(笑)。

――『マツコの知らない世界』では、そうして集めた衣装が部屋中にあふれている、大変衝撃的なご自宅が公開されてましたが。

芳野 いつ使うか分からないから捨てられないんですよ。ビニール袋にたまった大量の服が部屋中にあるんですけど、ふだん着られないようなものばかりなんですよ。けっして“汚部屋”ってわけではないんです!

――あのお部屋は、お家賃どれぐらいなんですか?

芳野 5万1000円です。もう5年ほど住んでますね。呼び鈴が壊れていて、洗濯機も外置きの、最近は珍しいタイプで。外に蛇口がないので、洗うたびに台所の蛇口からホースを伸ばして洗濯機までつないでいます。いろいろと面倒なんですよ。なので女優としてお仕事を増やして、家の中に洗濯機が置けるような部屋に引っ越しすることが目下の目標ですね。

――37歳の美人女優が公開するご自宅としては、イメージとだいぶかけ離れていました。

芳野 女性からは共感を持てたっていう感想をたくさんもらいましたね。でも男性はみんな引いちゃったみたいで……。私、自分では知らなかったんですけど、すごくキレイな部屋に住んでるっていうイメージを持たれるみたいで。

――たしかに、ブランドもののティーカップで紅茶でも飲んでいそうなイメージがあります。

芳野 全然なんですよね。2リットルのペットボトルのお茶をガブ飲みですから。主食はバナナですし(笑)。

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