しっとりした浴衣姿を披露していただいた笛木さん。が、“愛人女優”の異名も取るクールな色香や涼しげな表情からは想像もつかない“ものぐさエピソード”を連発! 新たな魅力を知ることができました。
――今回は夏ということで、見目麗しい“浴衣姿”を撮影させていただきました。
笛木 ありがとうございます。今年はこれが初浴衣です。ふだん、浴衣を着る機会はなかなかないですからね。
――時代劇などのお仕事では、和服姿はよくお見かけしますけどね。
笛木 そうですね。あと、時代劇の撮影のときに、スタジオの控室で浴衣に着替えることはあるんですけど。
――え? これから衣装の和服になるのに?
笛木 そう。時代劇の場合、メイクや衣装合わせのときから、その世界観を崩してはいけないという雰囲気があって。
――へえ~。それって“時代劇あるある”ですか?
笛木 まあ、浴衣で入らなくていい現場もあるんですけど、他の女優さんも、たいてい浴衣で入ってこられますよ。
――洋服で行ったら、怒られちゃうんですか?
笛木 怒られるというか“その格好で来たんだ……”と白い目で見られてしまうかも。だから、基本的にはちゃんと浴衣で行っています。
――大変だぁ。
笛木 そういう文化って、今は珍しいですよね。でも、夏は浴衣を着たほうが、気分も上がりますから。
――色っぽい気分になる?
笛木 アハハ。どっちかというと、写真を撮りたくなります(笑)。やっぱり、浴衣ってかわいいですからね。
――はい。特に笛木さんのような“しっとり美女”には、浴衣が似合います!
笛木 いやあ、本当は全然、しっとり系じゃないんですけどね。すごくズボラというか、“面倒くさがり屋”だし。
――ええっ!? どんなとこがですか?
笛木 たとえば……脱いだものは脱ぎっぱなし。洗濯物を取り入れても、畳んで片づけるのが面倒なので、服の山から取り出すのが、基本スタイルなんです。
――意外だ(笑)。
笛木 あとは、新しい服を買っても、タグを取るのが面倒なので、見えないように着ていることもあります。現場でスタイリストさんに切ってもらったりして(笑)。
――あらら。かなりの面倒くさがり屋ですね。
笛木 カバンなんかも基本的に、チャックを閉めないで、開いたままだし。
――財布とか、大事なものを盗まれちゃいますよ!
笛木 うーん。よく言われるんですけど、一度も盗まれたことはないですよ(笑)。
――アハハ。その性格は、いつからですか?
笛木 私、自分が“面倒くさがり屋になった瞬間”を、今でもハッキリと覚えているんです。
――ぜひ、聞かせてください(笑)。
笛木 こう見えて私はもともと、きれい好きだったんです。それが、中学生に上がった頃、自分のロッカーを整理していたら、急に「あ~、面倒くさい!」って感情が湧きあがってきて。そこからですね。ロッカーも机の中も、グチャグチャでかまわないって思い始めたのは。
――かまわないかなあ……(笑)。何かが目覚めてしまったんですね。
笛木 うん。普通、女の子は“きれいになりたい”“かわいく見せたい”って気持ちが強いから、きれいにするでしょ。でも、私はそれよりも“面倒くさいことはしない”という気持ちを優先してしまったんです。
――面白いですね(笑)。
笛木 あ、イメージが崩れちゃった!?
――いえ、むしろ、親近感が高まりました。でも、ズボラに時代劇は大変そう。
笛木 そうそう、時代劇の話の途中でしたね。浴衣でスタジオ入りする話もそうですけど、職人さんが多い世界なので、細かい間違いのないよう、気を使います。
――確かにあの世界は、時代考証など、細かい部分の専門的な知識も必要とされますもんね。
笛木 はい。スタッフの方も時代劇が好きで、ものすごく勉強されていますから。
――怖い方もいますか?
笛木 怖いというか、厳しい方が多いですね(笑)。言い回しとか作法なんかも、当然ですが、少し違うだけでも指摘されるので、毎回、ものすごく緊張します。
――ファンも厳しそう。「この時代に、そんな仕草はしない!」とか。
笛木 はい。皆さんそうかもしれませんが、私は若い頃、時代劇の良さが分からなくて。でも、時代劇の仕事をいただくようになって、私なりに勉強する中で、多くの人が“日本の良さ”を時代劇の中に見てるんだなと感じるようになりました。
――ちなみに笛木さんは、週刊大衆を発行している双葉社の小説を原作とした時代ドラマ『陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙~』シリーズ(NHK)にも毎回、出演されているんですね。
笛木 そうなんです。あの作品は、熱心なファンの方が本当に多いですね。いまでも“『陽炎の辻』を見ていました”と声をかけてくださる方もいるくらいで。いい作品に出させてもらって、感謝しています。
――こちらこそ、ありがとうございます。では再び、笛木さんのズボラな一面をお聞きしたいと思います。
笛木 またですか(笑)。