■主婦も顔負けの整理整頓ぶり

 自由時間が終わって、いよいよ就寝かと思いきや、そうはいきません。なんと、21時から掃除の時間があるのです。朝の掃除、そして夜の掃除と専業主婦も顔負けの整理整頓ぶりです。ゆえに、養成所内はいつもチリひとつありません。

 掃除が終わると、21時30分に日夕点呼があります。本日も1日、無事に終わったことが確認され、22時にようやく消灯。疲れを癒すための就寝に入るわけです。

 就寝後は誰一人おしゃべりに興ずるものはいません。シンと静まり返った静寂が館内を包み、訓練生とともにようやく養成所の1日が終わるのです。そして、こんな生活が1年間続きます。

■挨拶は人ばかりでなく、ボートや水面にも

 さて、今回、4コマ漫画のテーマにした「礼と節」ですが、この言葉は食堂や教室などあちこちに掲げられており、ボートレース養成所の理念とも言える言葉です。実際、訓練生は来客や教官を見かけると、かなり遠いところにいても、一度立ち止まって挨拶をします。お辞儀の仕方もその辺の若者のようにちょいと、首を動かす程度の無礼なものではありません。しっかり背筋を伸ばし、腰から折り曲げて挨拶をするのです。

 挨拶は何も人ばかりではありません。食堂に入るときや、課業を行う水面にも礼をします。ちなみに、課業で使用するボートにはピシッと敬礼をしてから搭乗します。

 このような厳しい訓練を受け、次第にプロに求められるハイレベルな自己管理能力を身につけていくわけです。

 今回の漫画の美波は、こぼした水にまで礼をしていますが、実際にはそんなうっかり者は、まずいないでしょう。まあ、これはあくまでも漫画ですから。

 次回の「ボートレース訓練生・美波」は週刊大衆11月27日に掲載予定。日刊大衆では11月28日に配信予定です。お楽しみに!

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2