■運動は散歩や軽いジョギングで十分

 なお、“魔の三角地帯”以外も、安全地帯ばかりではない。「家の外で突然倒れる方、中には、そのまま亡くなってしまう方が多いのは運動の最中。注意が必要です」と言うのは、スポーツインストラクター。月に何度か、一生懸命にランニングジムに通ってキツめの筋トレ……健康のためどころか、これらは突然死のリスクを高めているという。「血管がもろくなった中高年がハードなスポーツすると、心臓に負担がかかりすぎてしまうんです」(前出の石蔵氏)

 運動は、散歩や軽いジョギングで十分だという。しかも、寒い屋外で体を動かせば、血圧の上下幅も大きい。リスクはいっそう増すばかりだ。

■ストレスで不整脈に…

 肉体ばかりでなく、精神面でストレスを抱える人も“急病サイン”点灯中だ。「ストレスが大きい人は、不整脈を訴えがち。不整脈が、心不全に直結するわけではないものの、心臓に大きな負担をかけることは確かです。たとえば、ゴルフで突然死するケースでは、ショットよりパットのときに多いと言われています。ストレスが、心臓に大きな負担をかけていることの証拠だと思います」(前同)

 いつも追われるように仕事をして、休まる場所や時間がないと、心臓に異常が出て「ある日、パタリ」となりかねない。

■和食中心の食生活でリスクを下げる

 では、こうした急病、突然死のリスクを下げるにはどうすればいいのか。第一は、動脈硬化を極力抑えること。「血管のヘドロになる、揚げ物などの食べ物は減らす。反対に、青魚に多く含まれるEPA、DHAなどの脂質は、ヘドロの元となる悪玉コレステロールを下げるので、和食中心の食生活がオススメです」(管理栄養士)

 また、便秘気味でキバり気味な方は、食物繊維やヨーグルト、納豆など、“腸にいい食べ物”を多く摂るようにするといい。

●寒い場所を暖めることも大事

 もう一つ大事なのが、血圧の上下を少なくすること。要は、寒い場所を暖めること。“魔の三角地帯”でいえば、まず風呂とトイレ。「入浴時の寒暖の差を小さくするため、風呂に入る10分前に脱衣所と風呂場を暖めておく。それに、入る前に浴槽のフタを開けておくだけでも、浴室内もずいぶん暖まります。トイレは、温風が出る専用ヒーターを設置するなどして、寒暖の差を小さくするのがいいでしょう」(前出の医療ライター)

 最後のトリは寝室。「寝る前に1杯の白湯や水を飲むと、就寝中の脱水を防げます」(前同)

 これで、ひと安心。“急病サイン”を早めに発見し、体をいたわって、この秋冬も元気ハツラツに過ごしましょう!


※石蔵氏とともに本誌編集部が作成。11個のうち、0~2個なら低リスク、3~6個なら中リスク、7~9個は高リスク、それ以上は「デンジャーゾーン」。気をつけて!

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