【国民栄誉賞】将棋・羽生善治&囲碁・井山裕太「驚きの天才伝説」

 史上初の「永世七冠」と2度目の「七冠独占」は、どれほどの偉業なのか。進化し続ける“生ける伝説”2人の強さとすごさの秘密!

 昨年12月5日の第30期竜王戦七番勝負を制し、史上初の「永世七冠」の称号を手にした将棋の羽生善治氏(47)と、同10月17日の名人戦を制して、2度目の七大タイトル制覇を達成した囲碁の井山裕太氏(28)。前人未到・空前絶後の偉業を成し遂げた2人の天才に、このたび国民栄誉賞の授与が決定。

 だが、一般的にはなじみの薄い囲碁・将棋の世界での快挙が、どれだけすごいか、ピンと来ない人も多いことだろう。そこで、今回は、この授与決定を記念し、2人の驚くばかりの“天才伝説”のほんの一部を紹介しよう。

■史上初めて七大タイトルを独占

 まずは羽生氏だが、将棋との出会いは小学1年。友人に教えてもらったのをきっかけにのめり込み、母親の勧めで「八王子将棋クラブ」に入門するや、メキメキと力をつけていった。「いつもテレビ将棋の棋譜がしっかり頭に入っており、道場では周囲の大人を相手に、誰もついていけない速さで、その解説をしていたというエピソードがありますね」(将棋専門誌記者)

 小学6年で小学生名人となり、プロ養成機関「奨励会」に入会すると、驚異的な速度で昇級・昇段を重ね、1985年、当時史上3人目の中学生棋士としてデビュー。「初年度の戦績は、40勝14敗の勝率.741を記録し、新人賞と勝率1位を受賞。88年、18歳、五段時代の第38回NHK杯で、大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠という名人経験者4人を負かして初優勝。翌89年、竜王戦を制し、19歳2か月の最年少記録で、初のタイトルを獲得しました。そして、それからわずか7年後の96年に史上初めて七大タイトルを独占し、生ける伝説となったのです」(前同)

●チェスでも日本一に!

 本誌の詰将棋の出題者である佐藤義則八段は、その強さについて、こう話す。「戦型の得意、不得意を作らず、どんな局面からでも、勝つための最善の一手を求める姿勢を変えない高い精神性、知らない局面への好奇心こそが、羽生さんの強さの秘密だと思います。先の竜王戦で勝った将棋を見ても、非常に踏み込みがよく、挑戦的な手がいくつもありました。並の棋士の40代というと、少しずつ衰えが見え始めてくる頃ですが、羽生さんに限っては関係なさそうですね」

 この羽生氏、実は将棋ばかりか、なんとチェスの実力も相当のものなのだ。「七冠制覇前後の26歳のときに、趣味で始めたそうですが、月に1、2度の練習しかできない中で、2年後には日本一になっています。以降、将棋の対局の合間をぬって海外の大会にも出場し、好成績を残しているんです」(前出の記者)

 驚きを通り越し、その頭脳のポテンシャルに、もうあきれるしかない。

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