コンビニ&チェーン飲食店、「中食」人気と原材料高騰でサービスの形が激変!の画像
コンビニ&チェーン飲食店、「中食」人気と原材料高騰でサービスの形が激変!の画像

 我らが庶民の味方、コンビニとチェーン飲食店。常に進化を続ける両者が今後どうなるのかを追ったところ、2つのキーワードが出てきた。それは、「中食」の人気と原材料の高騰だ。

「中食とは、店で購入した料理を自宅で食べることで、外食と家庭調理の間とされています。この売り上げが全コンビニで好調どころか、ますます右肩上がり。しかも、中食商品はコンビニの“利ざや”が大きく、惣菜や冷食の充実に各社躍起。ファミマは350億円かけて新工場を建設するほどです」(経済誌記者)

 レジ横のホットスナックコーナーに、チキンやアメリカンドッグのみならず、とんかつやアジフライなどさまざまな惣菜が増えたり、プライベートブランドの冷食が充実しているのはその影響で、今後は、「店内調理のコンビニ店舗が増え」(前同)、飲食スペースを設けた店舗も増加しそうだという。

 さらにローソンは、2017年12月に15年ぶりに、ある商品を刷新した。「おにぎりです。『おにぎり屋』で知られていましたが、米、海苔、塩の管理や製造方法をリニューアル。以前よりも圧倒的においしくなったんです。さらに、定番の弁当2種類も同じく心機一転させ、一挙に攻勢に出ました」(同)

 定番新弁当は、コンビニ弁当にしては少し値段が高めの設定なものの、「いい意味でファミレス並みのクオリティ」(同)という。

■リニューアルを利用して値上げも

 こうしたリニューアルの、“もう一つの狙い”を話すのは、食品メーカー社員。「昨今、原材料が驚くほど高騰しており、中でも業務用の米は2~3年前から2~3割上昇しています。リニューアルを利用して、値上げを自然な形にするケースもあるでしょう」

 しかも、「値段改訂の動きは、まだ3年は続きそう」(前同)と言うから、我々消費者には決して無視できない話。事実、牛丼チェーンのすき家は去る11月から、天丼チェーンのてんやは18年1月11日から、弁当チェーンのほっかほっか亭は18年早々に値上げする。

 そんな逆風の中で、飲食店もコンビニ同様に中食に活路を見出している。サイゼリヤ、大戸屋、ガスト、ロイヤルホストは弁当販売をすでに開始。日高屋や餃子の王将はデリバリーサービスに挑戦。18年は、さらに多くの企業が名乗りを上げるはずだ。

■ラーメン店やファミレスの新サービス

 もう一つの傾向が、「通い放題サービス」だ。ラーメン店の野郎ラーメンが8600円(税別)を払えば1か月以内なら1日1杯まで何度でも食べられるように、いくつかの店が実施しているこのサービス。チェーン店にも広がると、業界では囁かれているという。うまく使えば、かなりお得になることは間違いないだけに、ぜひ注目したい。

 このような新サービスへの挑戦は他にもある。コンビニドーナッツに押されたミスドは新たに朝食分野に参入。サイゼリヤはさらに安い価格のパスタチェーンを、牛丼チェーンの松屋は中華食堂を立ち上げている。

 毎日の生活に欠かせないコンビニとチェーン飲食店。動向から目が離せない!

■コンビニブームと傾向を振り返る!

 ここ数年のコンビニのブームとして外せないのが、コンビニコーヒー。おいしいコーヒーが安く手軽に飲めると大ヒット。セブンイレブンが3億杯を突破した2013年から、一気に認知度を得たと言えよう。そして14年から、そのコーヒーとセット買いを期待してドーナツがレジ横に置かれるようになった。セブンを先駆けに、ローソンとファミマも追従。しかし、現在は個包装でパンコーナーに一緒に陳列されるなど、影が薄くなってきた。

 一方で、上記でも紹介したように惣菜コーナーが充実。また、弁当コーナーでは15年末以降からチルド弁当が存在感を増してきた。最近、ローソンではミルクティーやラテなどカフェ部門を充実させ、ファミマではプレミアム商品を拡充している。一方のセブンは、日替わり弁当や弁当宅配サービスなど、生活密着路線を強化している。

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