プロ野球“ご意見番”伊勢孝夫がズバリ「今季は阪神Vあるで!」の画像
プロ野球“ご意見番”伊勢孝夫がズバリ「今季は阪神Vあるで!」の画像

 貧打に喘いだ“猛虎”に復活の兆しを見出し、未知数の“怪物”には活躍の太鼓判を押す。幾多の名手・名将を知る男が占う今季とは!

「優勝? 阪神や! 今年の阪神はあるで」 春の気配が色濃くなった3月某日、本誌の“ご意見番”こと伊勢孝夫氏は電話口で、そう言いきった。その理由とは? キャンプやオープン戦視察のハシゴの合間、多忙な伊勢氏を改めてキャッチ。「阪神優勝」の根拠を聞きつつ、今季を占ってもらった。

■阪神タイガースの優勝は藤浪晋太郎の活躍が条件

 まず阪神は、打線が去年よりだいぶ良くなってる。特に、新外国人のロサリオがええな。見てるとパワーもあるし、インサイドに来る球には滅法強い。上半身が強いからか、フォームが泳がんと打てる。あいつがドカッと4番に座れば、軸ができると思うわ。弱点はいずれ見破られるし、日本の投手も厳しいから、ずっと調子がいいかどうかは分からん。ただ、甘い球は必ず打つタイプやから、相手にとってはコントロールミスが怖いな。今まで来た外国人に比べたら、いいもの持ってるよ。

 他にも、大山悠輔も去年の今頃に比べたら数段良くなっとるし、中谷や原口も育ってきとる。ドラフト4位で入った島田海吏っちゅうのも、ただ足が速いだけじゃない面白さを感じるな。福留や糸井に若手がうまく混ざれば、優勝あると思うよ。

 ただ、そこには条件がある。やっぱり、藤浪晋太郎が8勝から10勝くらいすることや。これがかなえば、優勝の可能性は十分あるね。キャンプを見てたら活気もあったし、楽しみやわ。

■セ・リーグは阪神と広島、DeNAがAクラス争い

 今年のセ・リーグは阪神と、やっぱり広島やろな。全員が自信持ってるし、手抜きするチームじゃない。それとDeNAあたりで、Aクラスを争うと思うわ。

――だが、昨年CSを制したDeNAについては、ある不安要素を口にする。

 このチームは、去年、答えを出したからな。今年もやると思うよ。ただ、心配は筒香。今年からフォームを変えたけど、キャンプではタイミングが悪くて見てられんかった。今までは左脚に重心を残してステップするだけやったから、1、2、3で打ててた。けど、今は最初、棒立ちで、ボールが来たら慌てて左に絞ってから前にステップをするから、1、2、3! と早いタイミングになる。なんか、飛び出すように打ってんねんな。あれじゃボールを捕まえきれんと思うけど、変化しようとするのは、ええことやと思う。あいつならダメでもすぐに戻す力はあるし、トライする姿勢が大事や。

■巨人はキャンプで危機感の欠如

――お次は巨人。伊勢氏はキャンプで深刻な「危機感の欠如」を感じた。

 阪神に比べて、巨人はサブイぞ。2月20日過ぎにキャンプを見に行ったんやけど、まだ中継プレーを練習しとる。そんなもん、10日以上前には終わらせとかんと。「今頃、何やっとんねん」と思ったわ。昨年4位の危機感が、まったく感じられんかったな。

 打線はゲレーロが入って、阿部も今年は状態がええみたいやけど、そこにマギーもいるとなると、こらもう「各駅停車」や。走れへん3人でヒット3本打っても、1点も入らないやん。若手の吉川尚輝とかがセカンドに入れば、脚が使えるようになるんやけどな。今年は定着するとええな。

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