喫煙率激減も肺がん増加のなぜ!? 「酒とたばこ」のウソ&ホント

 最近の健康ブームのせいで、肩身の狭い思いをする愛煙家や飲んべえの皆さん。これを読んで反撃ですゾ!

 歓送迎会に花見と、何かとイベントが多いこの季節。健康によくないと分かっていても、つい飲みすぎたり、吸いすぎたりしてしまう。この酒とたばこ、「女房よりつきあいが長い」という人も多いはずだが、意外と知らないことも多く、間違ったたしなみ方をしている人も多いはず。そこで今回は、男の2大アイテムのウソ&ホントに迫った!

■有効な二日酔い対策は!?

 アルコールで、間違ったたしなみ方の最たるものは「迎え酒」だろう。『肝臓病』(主婦の友社刊)などの著書がある、『野村消化器内科』の野村喜重郎院長が次のように解説する。「迎え酒は二日酔いの不快症状をアルコールで一時的に麻痺させるだけなんですね。迎え酒はダメージを受けた肝臓を、さらにむち打つ最悪の対処法です」

 二日酔いの原因は、アルコールを分解してできるアセトアルデヒド。これを取り除くには、「水分を補給して尿や汗として体外から排出」「何か食べてアセトアルデヒドの分解を促進させる」が基本の対処法になる。気持ち悪くて食べる気になれないときは、肝機能を亢進させるピクリン酸を多く含んだ梅干しと、利尿作用がある緑茶で、お茶漬け。これが簡単でお手軽な二日酔い対策と言える。

 最近は、コンビニや薬局で手軽に二日酔い解消商品が手に入るが、その中味はなんなのか? 川平慈英のCMでおなじみのヘパリーゼは豚のレバーが原料。豚レバーに含まれるアミノ酸には、酒でダメージを受けた肝細胞の修復作用がある。なお、大手薬局の社員は、「二日酔いを速効で解消するものではない」と話すのだ。さらに、「最も人気があるのがウコンですが、これも二日酔いを治すというより、弱った肝臓を元気にさせる効果が期待できます」(前同)

 最近、女性の間で人気なのがL-システインというアミノ酸商品。坑酸化作用があるため、シミ防止や美肌効果があるのだが、「L-システインには肝臓の解毒作用があります。これが二日酔い解消の効果があるため“特効薬”としてもてやされています」(同)

■日本人はアルコール中毒になりにくい!?

 続いて、「日本人はアルコール依存症患者が少なく、酒を飲んでも“アル中”になりにくい」という話があるが、これは本当か? WHO(世界保健機関)の調査によると、日本人のアルコール依存症者の割合は1.1%と、国別順位で136位。非常に少ない数字だが、実はこれ、アル中になりにくい体質なのではなく、アルコールとアセトアルデヒドを分解する能力が低く、酒をあまり飲めないからこその数字なのだ。ちなみに、日本人の40%はアセトアルデヒド分解能力が低く、顔が赤くなったり、悪酔いするなどの“副作用”を引き起こしている。実は、この分解酵素の働きが弱い人は食道がんなどに罹りやすいと、WHOが勧告している。

「アセトアルデヒドは、アルコールより体に悪い“毒物”なんですね。分解能力が低い人は、がんリスクだけでなく、肝臓などの臓器のダメージも大きいので注意が必要です」(前出の野村院長) 顔が赤くなる人は要注意!

■がんや心疾患の予防など意外な健康効果

 一方で、適度な酒は、心疾患の予防効果がある善玉(HLD)コレステロールのレベルを上げ、悪玉(LDL)コレステロールのレベルを下げる働きがある。また、飲酒によって、がん細胞や感染症の病原菌を殺すNK細胞を活性化するという研究もあるほか、世界中の酒に関する疫学データを分析した米国保健科学協議会は、「過度の飲酒は死亡率を大幅に上昇させるが、適量の飲酒は全死亡率を低下させ、健康にプラスになる」というレポートを出しているのだ。

 まったく飲まない人より、少し飲むことがむしろ健康にプラスになるというワケ。「アルコールの分解能力は個人差が大きいが、日本酒なら1合、ビールは中瓶1本、ウイスキーなら水割り2杯、焼酎なら0.6合――いわゆる“ホロ酔い”のお酒がベストです」(前同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3