天皇賞(春)は大阪杯や日経賞、阪神大賞典と3つのステップレースがあったが、大阪杯がG1に昇格したことにより、今後の傾向が変わる可能性がある。だが、唯一にして絶対的なデータが「内枠有利」である。過去10年、1~4番に入った馬の回収率は単勝が585%で複勝が297%。ビートブラックの14番人気1着を筆頭に、マイネルキッツ、メイショウドンタク、ヒルノダムール、カレンミロティックといった馬たちが内枠から穴をあけてきた。これは京都のコース形態に加え、本質的なステイヤーが少なくなったことも影響していると思われる。

 レースの前半は皆が無理せずおとなしく流れ、残り800メートル辺りから急にペースアップする。坂の下りということもあって勢いはつくのだが、ここで外を回った差し馬は速いラップを踏みすぎて直線で伸びない。かといって、外枠から強引に位置を取りに行くとスタミナの消耗につながる。

 ここ最近の天皇賞(春)は内枠先行馬に外枠差し馬が、どれだけ絡むかという構図になっているが、後者のほとんどは上位人気馬。外枠から穴は出ない。例外は2015年に7番人気2着のフェイムゲームくらいで、同馬はノーザンファームがオーストラリア遠征を選択したほどだから、よほどのステイヤー。今回、このタイプで警戒が必要なのは▲アルバートくらいか。

 2400メートルタイプの強い馬でも人気で大敗することはザラ。○シュヴァルグランであっても、まずは内枠を取り、ジャパンCのように積極的な競馬をしたいところ。外枠を引いたり、内枠でも下げて外に出す競馬になると1着は遠ざかる。

■脚質的に最右翼のガンコ

 今回のメンバーで、脚質的に一番向いているのは◎ガンコ。あの脚質で内枠を引けばかなりの武器になる。

 ★レインボーラインは菊花賞2着があるものの、本質的なステイヤーではないように見えるし、脚質が微妙。枠順次第では△クリンチャーを優先したほうがいいかもしれない。ただ、同馬も菊花賞時のような捲りの競馬ではなく、初手から位置を取りたい。

 とにかく大事なのは枠順と先行力。内枠ならば、10歳馬△カレンミロティックであっても馬券に絡むチャンスはある。

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