日曜阪神のメインは「マーメイドS」。2000メートルで争われる牝馬限定のG3重賞だ。前走の福島牝馬Sで重賞初勝利を飾ったキンショーユキヒメが連勝を狙っている。前走後はG1ヴィクトリアマイルの選択肢もあったが、牝馬の頂上決戦はマイルの舞台。距離不向きとみてここに目標を替えてきた。これまで6勝中、3勝が2000メートル戦。メンバーも落ちるのだから賢明な選択だといえるだろう。

 デキも非常にいい。初時計が5月17日で5F68秒2-12秒2を馬なりでマーク。1週間後の24日には同じCWで7F追い。一杯に追って6F79秒1-3F37秒0の好時計が出た。510キロを超える大型牝馬で、肉付きがよく、少し太く見せているが、レースまでにあと2本追えるから問題なし。柔らかい身のこなしは好調時のもので、重賞2連続Vの可能性は大いにある。

 ライバル筆頭は同じ福島牝馬S組のレイホーロマンスだ。0秒6差の5着に終わったが、4角ではさまれる不利があった。短い直線だけに、このロスは致命傷になった。今年は愛知杯2着、中山牝馬S3着と地力を強化中で、奥手血統でもあり巻き返しが怖い。

 穴で注意がいるのは軽ハンデ馬だ。前10年を振り返ってもハンデに恵まれた条件馬が何度も波乱を巻き起こしている。今年はアルジャンテ、ルネイションあたりの食い込みに警戒がいるだろう。

■東京競馬場ではG3エプソムカップ!

 同じ日曜日、東京でも重賞が組まれている。距離千八で争われるG3「エプソムC」だ。主役指名はサトノアーサー。復帰戦の東京、メイSは後方から追い込んだが、0秒2差の3着。レースの形は作っていたが、本来の切れを欠いた。ここらが3か月ぶりの影響だろう。これまで重賞で1着が2度、3着が1回ある実績馬だ。叩き2走目で反応が変わる今回は重賞初Vを期待したい。

 強敵はまずメイSの勝ち馬、ダイワキャグニー。ベストコースの左回り東京だけに前走の再現も十分にあるが、もっと怖いのはグリュイエールだ。前走の府中Sで復帰Vを飾ったが、これがなんと2年1か月ぶりの実戦だった。休養前にも中京でレコード勝ちしているが、能力なくしてはできない芸当だ。所属はリーディングを独走中の藤原英厩舎。巧みな仕上げに感服する。前走後は疲れを取り去っての仕上げ。5月20日に立ち上げ、24日には坂路で52秒7-12秒6の好時計。上積みも十分な中間気配だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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